COCOAで「濃厚接触者」と通知された【訂正あり】

はじめに

私は神奈川県に住む60歳男性だ。私の身に起きたことは、概ね標題の通りなのだが、正確には接触確認アプリCOCOAが「陽性者と接触した」と通知した訳ではない。そのように明確に知らせてくれれば、どんなに助かったか。まあ、その辺は追々ご説明しよう。

このような文章を公開するのは、COCOAの普及に伴って私と同様の経験をした人は多いはずだが、そうした立場からの発信が少ないように見受けられるからだ。私の経験が誰かの役に立てばという気持ちもあるが、むしろ「他の人はどうしてるの?」の方が強いのが正直なところだ。まあ、口火を切ると申しましょうか。こういうことは、もっと気楽に声を上げた方が皆のためにはいいんじゃないかと考えた次第。

直近2週間以内に陽性者との接触があった?

話を早めるために、まず私が2020年8月22日(土)午後1時30分、接触確認アプリサポートデスクに送信したメールをお読みいただきたい。

From: 小形 克宏 <xxxxxx@xxx.com>
To: appsupport@cov19.mhlw.go.jp
日付: 2020/08/22 13:30
件名: 接触が通知されたがCOCOAでは確認できない

お世話になっております。
2ヵ月ほど前から、iPhoneにCOCOAをインストールしている者です。
昨日未明、就寝直前に「接触が確認された」旨の通知が表示されました。驚いてタップしようとしたものの、眠くて思い通りに操作できなかったこともあり通知画面はすぐに消えてしまいました。
あわててCOCOAを起動し、「陽性者との接触を確認する」をタップしましたが、「陽性者との接触は確認されませんでした」とあったので、不審に思いながらもそのまま寝てしまいました。
本日午前中、再び「今週、接触が確認されている」旨の通知がありました。そこでタップすると、今まで見たことのない「接触チェックの記録」という画面が表示されました。
その画面には数分刻みの膨大な日時が記録されていました。1つずつ確認したところ、ほとんどは「接触したキーの数」が「0」なのですが、たしかに1つだけ「1」と記録されている日時があります(※注:下記左キャプチャを添付。赤枠は筆者が付加。ハッシュも筆者がモザイク化)。あとで確認したところ当該画面は、以下の場所にあるものと分かりました。
設定>プライバシー>ヘルスケア>COVID-19接触のログ記録>接触チェックの記録
つまり接触確認アプリそのものではなく、1次データの記録と考えられます。しかし、やはりCOCOAでは「陽性者との接触は確認されませんでした」の表示なのです(※注:下記右キャプチャを添付)。
「接触したキー」が必ずしも陽性者とは限らないということと推測していますが、不安なこともあり、問い合わせさせていただきました。
お忙しいところ恐れ入りますが、よろしければご回答ください。

画像1

返信が来たのは、週が明けた24日(月)15時56分のこと。全文を引用したいのは山々だが、メール末尾に「本メールの全文および一部の転載、二次利用はご遠慮ください。」と釘を刺してある。そこで私なりに要約することにしよう。もしも偉そうに読めたらそれは私が縮めたせいだ。原文は十分丁寧で素直に受け止められた。言うまでもなく、要約が原文の意に反したなら責任は私にある。

・iPhoneで「一致したキーの数が0ではない記録」がある場合、「陽性者との接触は確認されませんでした」と表示されていても、陽性者との接触があったと判断して欲しい。

・一致したキーの数とアプリの表示が食い違う事象については、現在調査中で、分かり次第厚生労働省のウェブ上に掲載するので確認して欲しい。

・本来であれば、アプリ上で陽性者との接触した日付が確認できるのだが、この事象により、そうした確認ができず申し訳ない。

・なお、接触チェックの記録に表示されるタイムスタンプは端末がキー情報をチェックした日時なので、陽性者との接触があった日時ではない。

・このため、当窓口としては「一致したキーの数が1以上だったタイムスタンプの日付から直近2週間以内に陽性者との接触があった」ということしかお伝えできない。

・体調に変化がなく、身近に感染者がいなければ必ずしも連絡する必要はない。

では、私は濃厚接触者なのか?

返事を読んで直面したのがこの問いだ。どうやらその答えは誰でもなく、自分で出すしかないようだ。私自身はピンピンしているし、近所に感染者がでたという話も聞かない。ということは気にしなくてもよいのか?

まずは可能な限り事実を確認せねば。カギになるのは接触日時だ。

2020年9月3日筆者注:以下、太字にした部分は私の誤解です。サポートセンターの言うとおり、近接通知のタイムスタンプは、接触した日時と同じではありません。詳細は末尾に追記します。〉サポートセンターは「タイムスタンプが陽性者との接触日時とは限らない」というけれど、まさか2週間に1回だけアプリ間通信をするなどということはないだろう。素人考えかもしれないが、せいぜい数分程度の違いではないか。

では、8月21日午前0時46分前後に私はどこにいたのか? こんな時こそ地図アプリのGPS情報だ。例えば Googleマップなら、タイムライン機能を使えば地図上に移動履歴を表示してくれる。

ところが、Googleマップ はもちろん、マップ(Apple)もMAP(Yahoo!)もインストールはしていたのに、セキュリティ意識が災い(?)して、全アプリのうち「位置情報サービス」を「常に」にしていたのは、ゲームの Pokémon GO だけで、あとはすべて「使用中のみ」か「確認」だった。これでは仮に接触日時が確定できても辿りようがない(遅ればせながら、地図アプリから1つ選んで「常に」に設定)。

厚生省の COCOA の FAQ では、「ほかのスマートフォンとの近接した状態(概ね1メートル以内で15分以上)を接触として検知します」としている。私には妻と子供が1人いるが、陽性者ではないので除外するとして、深夜0時過ぎに、他人と1メートル以内15分以上も接触するだろうか?

じつは心当たりはあった。私は Pokémon GO の熱心なプレイヤーだ。このスマホゲームは、プレイヤーがたくさん歩くほど大きな報酬が得られる。そこで就寝前の1時間をプレイ(ポケ活と称す)にあてており、毎週50キロ以上歩くのを常としていた。この日もポケ活中にLineで妻からアイスを買ってくるよう指令があり、帰り際にコンビニに寄った記憶があるのだ。

心当たりがある以上、無視はしづらい。そこで返事を受け取った日の6時半過ぎ、地元自治体の帰国者・接触者相談センターに電話してみた。

帰国者・接触者相談センターの回答

電話して最初に言われたのは、私と同様の問い合わせが最近とても多くなっていることだ。それはそうだろう、通知がきたのにアプリは「接触は確認されません」なのだ、何を信じればよいのか相談したくなるのも当然だ。

それはともかく、ここまで書いたようなことを縷々説明したところ、電話口の担当者は「そうですね……」と考え、こう言った。感染したかどうはPCR検査をしないと分からない。国は検査を広げると決めたが、申し訳ないがこちらでは感染者で精一杯であり、接触の可能性がある人にまで手が回らない。だから接触したかどうかは分からないけれど、8月21日から2週間は自分が感染者だと考えて暮らしてはどうだろうか。

そうか、まあ仕方ない。それでも、「自分が感染者だと考えて暮らす」とは、具体的にどうすればよいのか? ところが担当者は、その肝心なことなかなか言ってくれない。濃厚接触者と断定できない人間に対し、役所としてはっきりしたことを言えないし、言えば問題になると心配しているような印象だ。

役所の立場は分かるが、私は困る。そこで最終判断は自分でするから、参考意見を聞かせてもらえないかと持ちかけ、ようやく具体的な話を聞き出せた。以下、箇条書きでまとめよう。メモを元に書いたが、もしかしたら聞き間違いもあるかもしれない。その辺りは各自ご確認を。

・毎日体温を測る。何度測ってもよいが、少なくとも起床後は測る。

・高熱が2日以上続く、あるいは37度前後の微熱が4日以上続く場合は連絡する(逆に言えば、微熱が3日つづいた程度では連絡しない)。

・下痢、無味覚、無臭覚などは初期症状なので、すぐに連絡。息苦しさを感じた場合も同じ。

・極力外出は控える。どうしても外出する際はマスクを忘れずに。

・家族とも距離をとる。とにかく唾が問題なので、食事の際はかからないよう、横に並んで前を向いて食べてはどうか。

・トイレの清掃は普段通りでかまわない。風呂場も同様(水経由で感染した話は聞かない)。しかし寝室は別々にした方が安心だろう。

自分が感染者だと考えて暮らす

電話で聞いた内容は、すぐに家族に共有した。その反応は、やはり私と同様「そりゃ仕方ない」だった。

ちょうど晩ご飯前だったので、最初の仕事は伸縮式の食卓を引き出して、短辺に1人、長辺に2人、L字型に座席を配置し直すことだった(私は長辺の端っこ)。同様に、おかずはいつも大皿に各自が箸をのばす方式だったが、この日から1人ずつ皿に盛り合わせる方式に変更された。

夜はリビングに布団を敷いて一人で寝ることになった。いつもウォーターベッドなので、毎朝身体が痛むのが少し辛い。それでも夏なのが幸いして薄い掛け布団で、まあまあ快適に休める。

私の職場はいわゆるIT系だ。零細なので事務所はなく各自がリモートで仕事をしている。以前は週に数回は打ち合わせに都内に出かけていたが、ご存知のようなご時世で、この数ヵ月ほとんど電車にも乗らない。だから仕事の面ではほとんど変化はない。

変わったのは、いつも気分転換に家から20分ほどの所にあるモールのフードコートに出かけて仕事をするのに、それができなくなったことだ。これは大変寂しいが仕方ない。

一番の心配は、ちょうど奥歯が痛み出して歯医者さんに行く矢先だったことだ。当然自粛明けまで受診できないから、せいぜい歯を磨く回数と時間を増やすくらいしか対策がない。

精神衛生上の問題から、夜遅くのポケ活は続けている。私の住む地方都市は人口約40万と中規模で、住所は市役所のある比較的繁華な住宅街だが、駅と反対方向は家もまばらで、夜はほとんど人と行き会わない。それでもすれ違わなければならないときは、嫌味に思われても大きく距離をとるよう努めている。メインストリートは避け、裏道を選んで歩いているが、いささか侘しいのが正直なところだ。

このようにして、私は9月4日までの期日限定で、4〜5月の緊急事態宣言下と同じ生活を、もう一度、そして自ら進んで繰り返すことになったのである。

おわりに

しかし、私は本当に濃厚接触者なのだろうか? ここまで書いて、あらためてそう思う。

COCOAにおける接触の定義が「概ね1メートル以内で15分以上」であることは前述した通り。当日、本当に私がコンビニに行ったのだとしても、目的はアイスを買うことだから、長居をすればこの季節では溶けてしまう。妻は銘柄も指定していたので、私には15分もコンビニに留まる理由はない。

そもそもポケ活では黙々と一人で歩き続けるのが過半だ。15分以上立ち止まるとすればジム戦というバトル中だが、この場合も誰かと1メートル以内に近づくことはない。つまり、私にはコンビニ以外に他人と接触する機会は存在しないのだ。したがって、事実を元に判断すれば、COCOAが接触を感知したのは「間違い」なのが論理の帰結になる。

ところがである、それが分かっても、私にはこの自粛をやめる気持ちはおきないのだ。いったいなぜ? 心の内を覗き込むと「自分のせいで誰かを不幸にしたくない」という気持ちが強いようだ。その可能性が少しでもあるなら、自分に多少の不利益があっても我慢するし、結局それが最もコストの低い行動なのだ。

注意しなければならないのは、この選択は私の勤務がリモートだからこそできた点だ。交通機関で通勤しなければならない人なら、私と同じ選択をするのはむずかしいだろう。私の選択は恵まれた環境ゆえであり、この文章を公開することで、盲目的な自粛行動の背中を後押ししてしまうことを恐れる。

もうひとつ。ここまで事態を受け止めるに際して自分が発したのが「仕方ない」だったことに、我ながら驚いている。長くもない期間、甘んじて不利益を受けるのに、これはあまりに軽い言葉ではないだろうか。自分の歯が痛いのに歯医者に行けないことを「仕方ない」で納得してよいのか? 

最後に話が飛躍することをお許し願いたい。現在5Gサービスや南シナ海をめぐって連日アメリカと中国が激しい非難の応酬をしている。もし日本がどこかの国と戦争になっても、私はマスコミ報道に「仕方ない」「それが最もコストが低い」と納得し、はっと気がついたら最前線に立たされているのではないか。そんな自分が恐ろしくなってきたというのが、ここまで書いてきた率直な感想なのである。

追記1:近接情報のタイムスタンプは接触日時ではない

note に投稿したのは初めてだが、これを書いている時点で5,200ものビューがあったとのことで、大変うれしく思っている。ところが、本文中に注記したように、以下の部分は間違いであることが分かった。

サポートセンターは「タイムスタンプが陽性者との接触日時とは限らない」というけれど、まさか2週間に1回だけアプリ間通信をするなどということはないだろう。素人考えかもしれないが、せいぜい数分程度の違いではないか。

これについてご説明したい。上記のように、陽性者との近接を知らせる〈一致したキーの数〉が0以上という情報(以下、近接情報)のタイムスタンプと、実際に陽性者と接触した日時がほぼ同じであるためには、近接の検知直前に、厚労省のデータベースに陽性者を特定する情報(以下、感染者情報)が入力されている必要がある。よく考えれば分かるが、そんなわけはない。

近接情報がどのようにアプリのユーザに届くか、厚労省「新型コロナウイルス接触確認アプリについて」(PDF)により確認しよう。

スクリーンショット 2020-09-01 14.59.41

図で分かるように、①陽性者の把握からはじまって、⑤近接情報の通知まで5段階もある。これだけでも実際に接触した日時と近接情報のタイムスタンプにタイムラグが発生し得ることが分かるが、現実はさらに複雑だ。以下の記事をお読みいただきたい。

・医療機関普及にハードル コロナの情報共有システム導入3か月(2020/08/31 産経新聞)

従来は医療機関がファクスで保健所に感染者情報を送信し、それを保健所が集約して厚労省に送信していたが、これを一新するべく医療機関や保健所が直接入力したデータを管理・共有するため、今年5月に導入されたのが厚労省のHER-SYS(以下、ハーシス)だった。

しかし激務が続く医療機関はなかなか新システムに移行できず、結局旧来通りファクスを使った情報共有が残り、ハーシス本来の機能が発揮できていないという。こうして、近接情報のタイムスタンプと実際の接触日時に、想定された以上のタイムラグが生じている状況のようなのだ。

ちなみに、下記日本経済新聞の記事によると、同社はオンライン会員に対してCOCOAについてアンケート調査をおこなった。そこでは回答者13,014人のうち120人(つまり、概ね100人に1人)が近接情報の通知を受けたと答えたそうだが、「アンケートでは接触日から10日以上たってから通知が届くケースが目立った。」とのことだ。もちろん、これはあくまで限定的なサンプルにおける「目立った」にすぎないが、参考にはなるだろう。

・接触アプリ通知来ても「検査受けられず」8割 本社調査(2020/8/22 日本経済新聞)

追記2:この記事のどこが間違いか?

これらの材料を元に、もう一度サポートセンターの返信メールの意図を考えてみよう。本来COCOAの役割は、ハーシスの感染者情報を参照してユーザが陽性者と近接した日付を確定し、下図のようにユーザに知らせることだ(「新型コロナウイルス接触確認アプリについて」厚労省より)。ところが不具合によりこれができなくなっている。そもそもCOCOAが近接に関するデータを保持するのは2週間限定なのだが、不具合のために陽性者と接触したのはこの2週間のうちのどこかの時点としか言えず、申し訳ない。サポートセンターの意図は、そういうものだったと思われる。

スクリーンショット 2020-09-01 18.16.46

私の記事では、近接情報のタイムスタンプ前後にいたと思しきコンビニで陽性者と接触したという前提に立っている。しかしこれは私の誤解であり、実際に接触した可能性のある日時はコンビニよりもずっと前、たとえば記事に書いたモールなども含めて考えるべきだろう。

また、「おわりに」で以下のように書いたが、これも誤解だ。

事実を元に判断すれば、COCOAが接触を感知したのは「間違い」なのが論理の帰結になる。

接触日時と場所が特定できず、PCR検査もうけられない以上、やはり私は自粛した方がよい。

こうなると、この記事の多くは「誤解して右往左往したユーザの記録」になってしまうが、まあそれは仕方ない(←またかい!)。私の愚かしさも含め、コロナ禍の一断面として後世に残す意味はあるだろう。この追記を加えて、そのまま公開をつづけることにする。

追記3:では、どうすればよいか?

以上、わたしの記事をお読みいただいた皆さまに深くお詫びします。それでも、COCOAや背後のハーシスへの理解を深めることができたのは物怪の幸いだった。そこで気になったのはアプリの信頼性、そして利便性の低さだ。

私のように、せっかく近接を検知してもアプリでは「接触は確認されません」では、アプリを信じられなくなるのが人情だ。また、ハーシスへの感染者情報の入力に遅れが生じていることも、アプリの信頼性を下げている。実際の接触日とアプリの通知のタイムラグが大きくなるほど、陽性者と近接したユーザが無自覚に感染を広げてしまう可能性も増えるからだ。

仮に私のように役所のすすめに従い2週間自粛した場合でも、タイムラグが大きいほど無駄な自粛期間が増え、その意味を薄れさせてしまう。これでは自粛する人は増えるわけがない。

このような事態を招いた原因はどこにあるのか? この問題に切り込んだのが、追記1で前掲した8月22日付日本経済新聞「接触アプリ通知来ても〈検査受けられず〉8割 本社調査」だ。

同記事によると近接情報の通知を受けた120人のうち、実際に保健所等に連絡したのは30人に過ぎず、しかもそのうちPCR検査を受けられなかった人が25人にのぼったという(私と同じ対処だ)。つまり、それでなくとも役所に連絡する人は少ないのに、いざ連絡しても圧倒的多数は放置されたことになる。これではアプリを使うメリットは限りなく少なく、そんなものを誰が使うのかと疑問に思える。

この保健所等での対応について、厚労省「新型コロナウイルス接触確認アプリについて」には〈通知を受けた方には、帰国者・接触者外来等の受診までを、アプリまたはコールセンターで案内する。/通知を受けた 方が検査を受ける場合、検査に係る本人の費用負担は発生しない。〉(同資料p.2)と書かれている。つまり、通知を受けたら無償で受診・検査が受けられるとしているのだ。

ところが実際には違う。前掲8月22日付日本経済新聞では、厚労省担当者の「症状の有無など各自の状況に応じて必要が認められれば受けられる」というコメントを伝えている。この玉虫色の方針の結果、自治体によって対応が大きく分かれてしまい、医療機関の逼迫もあって「近接情報が通知されても症状がなければ受診・検査は不要」という対応を導き、結果としてさらにアプリの信頼性と利便性を下げているようなのだ。

COCOAは何のためにあるのだろう。もちろん人々が安心して暮らすためだ。そのためには一人でも多くの人がアプリを使うことが大事だし、それには近接通知を受けたら必ず無償で受診・検査がうけられることを国が保証し、全国の自治体に徹底させることが必要だ。

もちろん、その前提として医療体制へのテコ入れが不可欠だ。それが無理なら、そもそもCOCOAはリリースすべきではない。重要なのはユーザ、医療機関、自治体、厚労省をふくめ、全体をひとつの生態系としてバランスよく情報を循環させることだ。このままではハーシスもCOCOAも、「仏作って魂入れず」になってしまうことを恐れている。

(以上、2020年9月3日追記)




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