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文庫になりました

 お久しぶりです。小倉です。
 拙作「いっそこの手で殺せたら」が双葉文庫より刊行され、10日ほど経ちました。おかげさまで、多くの方にお読みいただいているようで、皆様に感謝申し上げます。
 以前の記事でも触れておりますが、「いっそこの手で──」は双葉社Webマガジンにて、「妻が逮捕された日」のタイトルで連載したものです。連載期間は1年1ヶ月。連載時のタイトルが上記のものだったのは、妻が逮捕されてという、作品の第一章に当たるところまでしか考えていなかったからです。
 最終的にあのようなかたちでまとまり、連載終了後にかなり削って(500ページ以上ありましたので)、プロローグとエピローグを加えました。

 プロローグに当たる部分が新たに必要だというのは、改稿段階から自分の中にありました。ただ、エピローグに関しては、編集氏の要望で加えたものです。
 自分としては連載時と同じく、第七章のラストで終わりにすればいいと考えていました。けれど、それでは読者が納得しないという意見をいただき、とりあえず書いてみたのです。結果、これはこれでいいかもしれないと考え直し、加えることにしました。もともと賛否があって当然の内容ですから、ラストの暴走でバランスが取れるかなとも感じました。
 あとはお読みなった方がどのように受け止めるかですが、それは私がどうこう言えることではありません。すでに作品は私の元から離れておりますので。

 私は書きながら、次にどうしようかと考えるのを好みます。ラストまできっちりと決まっているストーリーをなぞるのは好きではありません。
 この作品について、次にどうなるのかわからず引き込まれたという感想をいただきました。おそらく作者自身が、次にどうなるのかわからずに書いていたためではないでしょうか。
 現在は教職も兼ねているので余裕がありませんが、またああいう仕事をしてみたいものです。