【批評】minatsu_bi_happyさん 『vol.45 最初で最後のパレード』

 批評させていただき、ありがとうございました!

 今回批評させていただいた作品は、こちら。

vol.45 最初で最後のパレード|minatsu_bi_happy|note(ノート)https://note.mu/minatsu_bi_happy/n/ne9c97121566c

 正直、困りました。
 何をどう書けば誤解されずにきちんと真意を伝えられるだろうか、と。

 わたし自身、世の中は『マイノリティ』の集合だと思っていて、『LGBT』と、まるで特別なことのようにくくることに、ものすごい違和感があるんです。みんなおんなじ『人間』でしょう、って。だから生まれた時の『外見的特徴』から性別を割り振る現在の制度は間違っていると思っているんです。見た目で『男の子』『女の子』とくくっちゃうから、その『枠組み』から外れることを恐れてしまう。自分自身も、周りも。
 性別も、成人するときに自分で決められたらいいのに、と、思います。
 ただ、わたしが自然にこのように考えるようになったのは、まさにここで語られている『ビジビリティ(可視化)以上の実利を目指す』活動をされてきた方々が生み出した『成果』なんだろうな、と感じました。

 感想はこのくらいにして、批評に移りましょう。

 文章だけ読むと、説明が足りない部分もあるようには感じます。ですがそこは映像を見ることで解消されます。この作品は、映像と文章のどちらが欠けても成り立ちません。映像の持つ力を見せつけられた気がしました。
 その一方で、映像には決して映らない『当事者』の心情が正直に綴られた文章に、こころを打たれました。静かな情熱を感じました。表面を飾ったり取り繕ったりせず、ご自身の暗い部分にもきちんと目を向け、そして目を逸らさずに書ききることは、簡単なことではありません。その姿勢を最後まで崩さずに書ききったことが、一番素晴らしい点だと思いました。

 表現に対する細かい指摘は、必要ないと感じましたので、特に取り上げませんでした。この作品は、きっとこれが『完成形』なのです。手を入れれば入れただけ、作品がそもそも持っている『熱量』を奪ってしまうような、そんな気がしました。その意味では、あまりよい批評とは言えないかもしれません。力が足りなくてごめんなさい。

 ご自身に向けられた問題提起は、そのまま世界に向かっての問題提起にもなっています。もっと多くのひとに読んでもらいたい作品だと思いました。

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