【批評】yosh.ashさん　『NUMBER GIRL - IGGY POP FAN CLUB 【A面】【B面】』

　まずは、お礼を。
　批評させてくださって、ありがとうございました。

　今回、批評させていただいた作品は、こちら。

NUMBER GIRL - IGGY POP FAN CLUB　【A面】｜yosh_jp_ash｜note（ノート）https://note.mu/yosh_jp_ash/n/n964393fff89f

NUMBER GIRL - IGGY POP FAN CLUB　【B面】｜yosh_jp_ash｜note（ノート）https://note.mu/yosh_jp_ash/n/nf4cc4f0ae9a4

　音楽と合わせて、繰り返し読ませていただきました。

　個人的な好みで言えば、わたしは断然A面が好きです。雰囲気がいいです。

　世界観と雰囲気は、あわあわとしていてつかみどころがなくて。ただこの『つかみどころがない』というのは、ここでは誉め言葉、です。
　つかみどころがないからこそ、夢のような切ない世界を築いているのだと。
　もったいないなあ、と思うのは、夏のべっとりとした表現が淡すぎること、でしょうか。もっとぐだぐだにぐずぐずな、生臭い表現でもいいのかもしれません。そうすることで、『あわあわとした世界感』が引き立つのではないか、と感じました。

　また、つかみどころがないからこそ、物語のどこにフォーカスしているのか、解りにくいという弱点もあります。するっと読めます。感傷も伝わってきます。でも、するっと読めすぎるのがもったいない、と言いますか。何かもうちょっと『引っかかるもの』を残せたら、こういう作品は成功だと思うので、その辺りをもう少し工夫するといいのかもしれません。
　A面ではやはり、夏の表現でしょうか。嫌い、と語る根拠をもう少し聞きたいかな、と。
　B面では『空虚？』というキイワードの「遣いどころ」がとてももったいない感じがして、「遣いどころ」をもっとぐっと抑える、という手法もあるのではないかと思います。書き手としては、ものすごくよく解るんです。キイワードの繰り返し。でも、内容が『空虚感』に満たされているので、そんなに強調しなくてもいいのかも、という感じです。

　表現は美しいですし、読みやすくていい文章だなあと思うので、もう少し読み手を意識するといいかもしれません。合わせて、一番伝えたいことは何か、ということも意識すると、もっと素敵な世界が生まれると思いました。