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経営者のタイプ

同じ親から生まれても全く違う経済感覚を持つ岡崎兄弟です笑
いうならば、父親に似ているのが弟、母親に似ているのが私かなと思っています。
小さいときに、直に金を数えさせられ、金の匂いがわかる男になりました。割り算を習った小学校3年生のときに、「複利計算」を母親から教えられ、金を金が増やす仕組みを知りました。当時の金利はゆうちょで6%くらいあったので、放ったらかしにしていたらとんでもないくらい増えていますね。
ちなみに金利が高いということはインフレでもあるということです。大学初任給が10倍以上に膨れ上がった時代が高度経済成長期。バブルが弾け、私が地域公団に入団した1995年(平成7年)のときの初任給が22万円(都市手当込み)でした。その後25年間初任給は上がっていません。最近のインフレ、人手不足(これもこれからずっと続きます)によって力技で初任給は上がっているようですが、実体経済との乖離は否めません。

今日は、日本国経済の経営も、会社の経営もバランスシートをどうするかという経営策によって全く違う風景がありますよという話をします。


バランスシート

様々な経営者の皆様や、行政の方々とお話をする機会がありますが、財務3表のうちバランスシートについて重要視している経営者が圧倒的に少ないです。財務3表とはBS(バランスシート)、PL(損益計算書)、CF(キャッシュフロー計算書)の事を言いますが、こちらの新書がとてもわかりやすいです。まちづくりをやりたいと思っている人はこの知識は必須です。

この3つの表、どれも大事ですが、今日は特にBSについてちょっと紹介します。まずはCHATGPTに聞いてみましょう笑

「バランスシートとはなんですか?どのように活用できますか?」と聞いてみます。

バランスシート(英: Balance Sheet)とは、会計報告書の一種で、特定の日付(通常は会計年度の終了日)における企業や組織の財務状況を示すものです。バランスシートは、資産(Assets)、負債(Liabilities)、純資産(Equity)の三つの要素から成り立っており、これらの要素が会計の基本的な式である「資産 = 負債 + 純資産」を満たすようになっています。

バランスシートの主な目的は、企業や組織の資産と負債のバランスを確認し、純資産の状況を把握することです。バランスシートを活用することで、以下のような情報を得ることができます:

  1. 財務健全性の評価: バランスシートは、企業の財務健全性や安定性を評価するための重要な情報源となります。資産が負債と純資産に適切に分配されているかどうかを確認し、組織の支払い能力や借入金の割合などを評価できます。

  2. 投資判断の支援: 投資家は、バランスシートを通じて企業の資産の構成や負債の状況を把握し、投資判断を行います。負債の比率や資産の種類によって、企業のリスクや成長ポテンシャルを判断する手助けになります。

  3. 融資申請の際の情報提供: 金融機関への融資申請時には、バランスシートを提出することが求められることがあります。バランスシートを通じて、企業の財務状況や返済能力を説明し、融資の可否が判断されることがあります。

  4. 経営戦略の検討: バランスシートの分析を通じて、企業の資金の使い方や資本構造を検討し、適切な経営戦略を策定する際の参考にすることができます。

バランスシートは、企業の財務状況を客観的かつ網羅的に示す重要な文書であり、経営判断や投資判断をサポートするために幅広く活用されています。

以上

と回答されました。まじですげぇなぁこいつ笑

その通りなんです。
でも今日は、このBSを「どのようにしていこうとしているか?」という経営戦略によって全く違う展開になりますよと言う話です。

BSを大きくする?それとも小さくする?

現時点でのBSを見て、右側の負債から見る人と左側の資産から見る人で大きな違いがあります。
前述したとおり同じ親から生まれた兄弟でも違うというのはこの見方の違いです。
私は右側の「負債」から見て経営判断と決断をします。
弟は多分ですが、左側の「資産」から見て経営判断していると思います。
これどういうことかと言うと、私のように負債が気になるから右側の負債から見る人は、負債を減らしていこうと思考し行動する経営者。弟のように右側の資産が気になる者は資産を増やしていこうとする経営者。
ディフェンシブ派とアクティブ派の違いです。
どちらが正しいかは正直わかりませんが、年齢が若いのであれば左側の資産を多くしていく方向に行った方が人生楽しくなると思います。
事実、私は、銀行から初めて金を借りたのは100万円35歳の時でした。そして、42歳との時に借金の額が33億円まで増えました。よくぞ銀行さん貸してくれました。しかも、33億のうち26億はノンリコースローン。つまり無担保無保証のプロジェクトファイナンスです。東北銀行さん、北日本銀行さん、盛岡信用金庫さんが貸してくれましたが、幹事銀行の東北銀行さんが面倒をみてくれたのが大きいです。
プロジェクトファイナンスについては、東北銀行さんと幾重にも渡って協議しました。その結果、東北銀行さんもリスクヘッジをしています。この話はまだ誰にも話していませんので、有料noteで後に公開します笑

ローンイップス

話は戻りますが、33億円の借金をした時に、ふっと我に返ったんです。
「オレ、大丈夫か?」って。。いくらノンリコースローンのプロジェクトファイナンスだって返済しなければならないし、本当に大丈夫かって、、、急に心配になってしまいました。
これを私は「ローンイップス」と言っています。
そして、今まではBSの左側だけを見て経営をしていましたが、急に右側の負債がきになるようになりました。結果、33億円を超えるローンは未経験のままです。。
そこからは、とにかくBSの右側(負債)を減らしていこうと努力し始めました。その結果が、今の現状です。ローンは減っても事業の拡大は無く、結果人件費も上がることなく、いわば成長しなくなっているのです。
ローンイップスにかかった人にはわかると思います。
その一方で、私の弟のようにBSの左側を見る人間は、拡大路線で経営を考えます。わかりやすいのがM&Aです。企業を買収することで全体のBSを大きくしていくこと。多くの大きな企業はBSを拡大する方向で行ったのです。最近の楽天はモバイル事業が足かせになっているようで、BSが歪になってきているようです。モバイル投資で負債が増えているがそれに伴って増えた資産が稼ぎを作らない状況なので、いろいろと騒がれているのです。

国も同じです。。。

日本は戦後の経済復興の過程で民間負債(金融機関を除く)がGDPの110%から210%に増えました。そのピークが1990年です。しかもバブル絶頂期はBSがマックスの時だったのです。
それ以来、日本国政府は20年かけて160%まで圧縮しました。
つまり借金の返済を最優先した結果、税金は上がり消費は止まり、給料も上がらずデフレ。。。バランスシート不況を続きました。。

一方、中国は1990年頃、民間負債(金融機関を除く)はGDPの80%でしたが、それが2020年までに220%に増えたようです。
そして今、中国の消費者や民間企業は日本がそうしたのと同様、借金の返済を最優先しはじめ新たな消費を絞り込むことをしています。いわゆるバランスシート不況が到来しているわけです。
日本もそうですが、バランスシート不況下では、日銀がが金利を引き下げるだけでは需要を刺激しないことは歴史が証明しました。
先日発表された中国の消費者物価指数がほぼ上がっていないことは、需要が余りにも弱いので中国経済がデフレになるリスクがあることを示唆していると私が懇意にする経済評論家は言っています。
中国は日本のように社会保障制度や医療保険制度が充実していないので個人が高い貯蓄率を維持し、まさかのときに備える必要があります。その結果、日本などの海外に資産を移している状況です。
つまりまず中国政府が社会保障を充実させないことには力強い消費経済は生まれないということです。中国が日本と同じ轍を踏むのはかなりの高い確率だと思います。

一方で、建国以来一環としてBSの左側つまり稼げる資産に着目し大きくしてきた国がアメリカです。リセッションを経ても見事に復活できるのは、過去に借金して投資した社会インフラが稼げるものになっている事に証だと思います。

どちらを選ぶかは、残された人生の長さと相談

私は、負債を消す方向でこの10年間やってきました。
でも、生き方を変えようとしています。
今まで一人でやってきた事業を、企業や個人、誰かと一緒にやっていこうと思うようになりました。
10年前に比べて、確実に寿命は10年短くなっています。だからこそ、10年前と同じやり方では金融機関も説得できないと思っていますが、説得されないで欲しいと思っています。
皆さんのバランスシートを今一度チェックしてください。そして、これからの生き方も少し考えてみませんか?

私がローンイップスになるまでの軌跡はこちらの本を読んでください。

まちづくりにファイナンスの知識が必要なことを理解したいのであれば、私のこちらの本がオススメです。


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