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「通信教育で黒帯を獲った」と言っている奴は、路上のルールでは全く役に立たない〜地域を蝕む「オレ強いよ!」妄想に騙されないために

オガール暖簾分けプログラム(プロジェクト)というものを2006年から実施しています。
公民連携事業を民間側から体験して行政との付き合い方を学ぶ、公務員向けのプログラムになります。

一期生は、大阪府大東市の入江智子と岩手県花巻市の伊藤ケイコが参加しました。
入江にはオガールセンターの建築マネージャーとして仕事をしてもらい、役所の土地で民間が開発するためのプロセス、テナントさんとの関係性の構築、そして、建築会社との連携など、公務員の時の現場管理とは全く違う関係者とのやり取りを経験してもらいました。

伊藤ケイコは、私が新しく始めようと準備していたパン屋の立ち上げと、私が公民連携アドバイザーになっていた全国各地のプロジェクトの補佐をしてもらい、主に、新しい自治体の役割を体験を持って経験してもらいました。そして、多くの人脈を築いたと思います。

その後、広島県福山市などからもプログラムに参加し、プログラムを修了した職員はその後、福山で実施されている公民連携事業の若手エースとして活躍しています。


経験は知識を省く事ができる

私が、2006年東洋大学大学院で公民連携を学んでいたとき、根本教授がこんなことを言っていました。「F1に挑戦していたチーム鈴木亜久里のピットに「知識は経験を省く」という横断幕が貼っていました。まさに、この大学院は公民連携後進国の日本に公民連携を根付かせる知識を与え、日本を公民連携先進国にするために生まれました。」
なるほどな!と思ったのですが、いやいや「知識は経験を省く」ではなくて「経験は知識を省く」んじゃねぇの?とすぐに思ったのです。

知識だけでは、「失敗」という経験ができないのです。
これは致命的です。
しかし、日本の行政がなんの疑いもなく地域開発や地域再生に関する事業を行うときに委託する「アドバイザリー契約」は、知識のみの方々が受託する傾向にあります。
正直、この方々は「通信教育で黒帯を獲った人達」です。
知識はあれど、強くは無いのです。
なぜ強くないのか?それは単純に、失敗したこともないし、負けたことも無いからです。

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