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「ここらへんで、あらためて服の話をしましょう。」インタビューの後追い、はじめます。


Of the Shopは2014年1月に「入口展」という企画展をおこないました。
aacero、Design Complicity、GANGLION、sneeuw、tiitの5つのファッションブランドが協力してくださり、
冬もののサンプルやアーカイブをセールにして、安くお売りするというものです。



そのころはちょうど服屋さんのあいだで「セールの前だおし」が話題になることがおおく、

いろんなひとが年中セールのようなことをしているお店を批判したり、
「私たちはいっさい、セールをしません」というお店まで出てきたりしてました。


服を知ったり、ファッションを楽しむうえで「服を買う」のをできれば避けてほしくないとおもっています。
そしてできれば、今のじぶんよりも少し背のびしたような服を買ってほしい。

その経験はかならずじぶんを「背のび」したところまで連れていってくれるからです。
でも、悩ましいのがお金のことですよね。
デザイナーものの服というのは、なんでも安いものがあるいまからすると、やっぱり高いと思います。

だから、お値段ゆえに服を知ることをあきらめてしまっているひとがいるかもしれない。
ファッションをもっと楽しみたいと考えているひとが、他に楽しみを探しにいってしまうかもしれない。

Of the Shopは、そういったことから「服やブランドを知る入り口としてお金の問題を多少解決してあげることで、
足を踏み入れてくれるひとがいるのであれば、セールは悪いことじゃない」と考えて、
「入り口としてのセール」をやってみたのです。

すると、小さなギャラリーで2日間だけの企画展だったにもかかわらず、
オープンの前から寒いなか、並んでくださるひとや、遠方から来てくださるひとがいたり、
「知らないブランドを知ることができてよかったです」
「ずっと好きだったブランドの服をはじめて買うことができました」
といった狙いどおり!の言葉もいただけて、やってよかったなとすごく思いました。


「入り口としてのセール」だったので、開催までにいくつか仕掛けをつくることにしました。
まず当日に、デザイナーのみなさんがふだんデザインするうえで参考にしていたり、今の価値観のもととなった資料を展示していただけるようお願いしました。
また、開催までにインタビューとしてみなさんにお話をうかがい、服だけでは伝わりきらない
デザイナーの「人となり」や「思い」を話していただいて、それを当日まで連載にしてアップしていきました。



私たちがそんなことをするのは、「服はなにも話さない」ことを知っているからです。

当たりまえですが、服は自分がどんな思いから生まれたのか、どんなところに連れて行ってほしいのか、
どんな日々を楽しんでほしいのか、話すことはありません。

でも、私が服が好きになったきっかけはそういう「話さない」ようなことを
いろんな雑誌とかインタビューが教えてくれたからでした。
服はなにも話さないから、誰かが伝える役目をしないといけないし、そうゆうひとが必要です。

これからこの場所ではじめたいことがあります。
まず、2014年1月の「入り口展」のためにデザイナーのみなさんに伺ったお話をそのままアップしていきます。
そして2年たったいま、あらためてこの時はこういう考えだったのかな、とか、これがこのブランドの「らしさ」なのかな、といったことを追記として、後ろにつけておきます。
取材後記のようなものです、2年前のことですけど。

今はOf the Shopにもなんどか参加してくださっているブランドばかりなので、この文章を読んでくれているひとに
とってはおなじみなのかもしれませんが、ここらへんで、あらためて服の話をしましょう。

こんな価値観なのかな、こういう感性がすてきだ、この考えはちがうと思う。
そんな感じでそれぞれ楽しんでもらえるとうれしいです。
もし何か思うところがあったりしたら、noteにコメントをしていただくか、
Twitterで「 #oftheshop 」をつけてツイートしてください。
かならずぜんぶ目をとおして、お返事をかきます。
もしかしたら、デザイナーのみなさんに「昔のことですみません、あれってこういうことですか?」
と聞いてからお答えするかもしれません。

実はまだひとつも追記を書いていないので、これからどんな仕上がりになるのかわかりませんが、
これをきっかけに「服っておもしろいじゃん!」と思ってくれるひとがいれば、狙いどおり!です。

それでは、よろしくお願いします。

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