見出し画像

【懇切丁寧】イラスト解説

画像2

はじめに

ある日、YO-YO MAGAZINE Shiok!のNanaさんから「フリースタイルの世界観をイラスト化してみないか」という旨のお話を頂きました。現在Shiok!では積極的に似顔絵などのイラスト企画に注力していて、そのうちの一つの企画としてフリースタイルのイラスト化の話が持ち上がりました。似顔絵とかフリー中のプレイヤーのイラスト化はたまに見るけれど、フリースタイルそのもののイラスト化はほとんど前例がありませんでした。しかし競技会である以上、3分フリーでは表現し切れない膨大な妄想、世界観を何かしら別の形で見せつける試みは、兼ねてより機会があればやってみたいと夢想していましたので、二つ返事で引き受けました。今回イラスト化したのは、2020WJ 4A Finalの演技です。今回絵を担当してくださったのはれリほさんです。Nanaさんの紹介です。

【左】念仏を唱える僧侶と卒塔婆

まずは左から、怖い僧侶と卒塔婆です。本作のテーマはご覧の通り「怪」と「和」でありますが、これはどこから着想を得ているかというと、曲に念仏のようなパートがあったことに由来します。実際は念仏でも何でもないし、英語の曲なのでそのようなものは一切関係はありません。しかし、我々日本人がそのメロディーから受ける印象は念仏のそれであり、そこから全ての方向性を定めたので良しとしました。それ故に、念仏を唱える僧侶の存在はこの世界観では必要不可欠なものとなりました。

卒塔婆は故人の戒名が書かれた細長い板で、供養の意味を込めて建てられます。元は古代インドの釈迦の遺骨を納めた塔で、日本には五重塔の形で伝わりました。その後簡略化され、現在の形に落ち着いています。卒塔婆を立てることは善行であるとされますが、不気味なイメージが先行しているのも事実であり、今回はフリー全体の印象を表現する目的で配置しました。

【後方】怖い寺

続いて後ろの怖い寺です。イラスト全体の構図を決めるに当たり、プロメアのポスターの上半分がイメージとしてありました。

画像1

これのリオ・フォーティアが座っている部分。ここだ、ここに鎮座したいと思いました。バックは緩やかなピラミッド構図に、底辺にはロゴ。中心に世界観のキーとなる人物を配置したド迫力構図。イラスト化するなら、ぜひこの構図でとイメージを固めました。Nanaさんとの打ち合わせ中、「プロメア構図で」と話をしています。背景に大きめの寺を配置したのはそのためです。プロメアでいうとゲーラとメイスの部分にあたります。これのおかげで、緩やかなピラミッド構図となりました。屋根に覆いかぶさるでかい手は、「なんか怖い寺」と指定したところ絵師さんが気を利かせてくれました。この寺に具体的なモデルは特にありません。

【中央】金剛力士像と僕

荒々しくも美しい、左右で隙のない金剛力士像は僕の大好きなものの一つです。サビの荒々しい曲調をイメージしています。金剛力士像のポーズって格好よくないですか?僕は二人で写真を撮るときはこのポーズを強要します。僕は「阿吽」のうち、吽の方のポーズをするのが気に入っているので皆さんは阿の方のポーズを練習しておいてください。僕と同じ写真にぶち込まれる楽しみにしておいて下さい!いいですね!

中央、僕です。フリー中で一番気に入っているポーズを絵にしてもらいました。持ち色が緑なので要所要所の色は緑にしてもらいました。オーラは電撃、目がまさかの緑色です。何より金剛力士像と同じイラスト内に収まれて嬉しいです。

【右】蛙の妖怪

蛙!カワイイ!軟らかいし。

最後に

今回たまたまフリースタイルに明確なイメージがあったのでイラスト化はスムーズでした。できればいいのですが、いつもこういうことを考えられているわけではありません。冒頭で述べた通り、フリースタイルそのもののイラスト化は前代未聞です。今回はたまたまNanaさんがイラストレーターを紹介してくださったので企画は実現しましたが、プレイヤー本人が描けるのが一番スムーズです。しかし、そもそもヨーヨーやってる・知ってる絵師さんなんて数えるほどしかいない貴重な存在だし、難しい道のりではあるけれどShiok!がきっかけでこの手の手法の作品が一般的なものになればいいなと思っています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?