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忘れ物

調子が悪そうなのに落ち着いているのは、落ちた後は必ず昇ることがわかっているからかもしれない。

タイミング悪く僕の不調と妻の不調が重なったこともあり、昨日は仕事の手を止めて娘たちの送り迎えを僕がした。

珍しく遠足の日で、年中クラスと年長クラスで電車に乗ってちょっと遠くの大きな公園に行くらしい。



朝一番、すし詰状態の中央線に長女の手を引いて乗り込む。次女は抱っこ紐だ。

20年くらい前に山岳部だったとき、山岳競技の大会では3人1組で合計30kg以上の荷物で縦走登山と野営をしていた。

あの頃、1人10kgの荷物は殺人的な重さだと感じていたけれど、徐々に重くなる我が子の抱っこで鍛えられたのか、10kg程度は余裕になった。

問題なく長女を集合場所へ送り届け、所用を済まして手早くお昼ご飯を作り、また迎えに行く。

いつも通り解散後もその場で遊び出すお友達と帰りたがらない長女をオヤツで釣り、もう疲れて持ちたくないというリュックサックを持たされながら帰りの電車に乗り込む。



わずか数駅でさえ立つのが嫌だとワガママを言う長女にうんざり半分、あのまま遊ばずに帰路についてくれたことに安心半分でとりあえず空いている優先席に長女を座らせた。

次女を抱きつつ片手には吊革、片手にはリュックサック。自分も吊革をつかみたいとせがむ次女のリクエストに応えるためにリュックサックを網棚に乗せて、抱っこしている次女の手が届くように吊革を支えてやる。

そうこうしていると地元の駅についてしまい、あわてて電車を駆け下りる。長女にオヤツを買ってあげると釣った手前、約束を破るわけにもいかずミスドに連れていかれた。



そしてなんとか帰宅してドーナツをほおばりながら、今日の園での話を聞く。

「お弁当けっこう残しちゃったんだよねー。」 なんていう懺悔を聞きつつ「お茶がほしい!」と言われたので幼稚園のリュックの持って行ったやつ飲めば?と答える。

玄関に娘がリュックサックを探りにいくが、リュックがないと騒ぎ出した。おいおい、いつも帰ってきたら玄関に放り出しているだろう。どこかの隅にでも隠れてるんじゃないのか?

そう言おうと思った時に気づいた。あれ?電車の中で網棚に載せた後、下車する時に下ろしたっけ?

そういえば、ミスドでドーナツをたかられていた時、長女はリュック背負ってなかったような...


そうです。僕が網棚に置き忘れたのです。。。


そこから5歳の長女に叱責されつつ、あわてて駅の忘れ物問い合わせ窓口へ行くも時すでに遅し。

中央線は車庫に入らずに始発駅と終着駅とで往復運転しているので、乗った電車と車両が明確にわからなければ捜索しようがないらしい。

ぼんやりとした記憶を辿りつつ、おそらくこの2本のどっちかで、乗った車両はここら辺の優先席、、、程度は伝えたものの、結局見つかった連絡は翌朝にきた。

てっきり東京駅の遺失物センターかと思ったら、よりによって中央線の終着駅の1つである青梅に届いたらしい。


そんなわけで、今こうして朝から電車で娘のリュックサックを回収しに向かっている。片道45分、無駄な時間だといえば無駄なんだけれど、今の自分にはぼんやりした往復90分は少しは気分転換になる気もする。

忘れ物したリュックサックは無事に回収。戻ったら、滞ってる仕事に少し手をつけようと思う。


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