@onefiveに詰まっているもの

音楽にもダンスにも疎い私に、えらそうなことを言う資格はないが、アイドル的ではない、かといってダンスグループ的でもない、表現者としての@onefiveの立ち位置は、既存のグループの枠から既に逸脱しているように思えた。それは、さくら学院時代から、振り付けの意味を突き詰めて解釈することを繰り返してきた、というベースがあるからだろうか。

4人で、あるいはペアでのシンメトリーやシンクロの美しさは言うに及ばない。「雫」という静かな曲にパワフルでエモーショナルなダンスを纏わせるギャップと、それを成立させる確かな表現力。歌うことを捨て去ってのパフォーマンスは、その年代らしい華やかさと少し大人びた振る舞い、1人ひとりの個性の際立ちとグループでの整然としたダンス、といった対比がまた鮮やかで楽しい。指先だけでなく、髪の先、衣装の裾にまで意識を込めているような身体表現が作り出す世界観は、本当にダンスのことを何も知らない私でも、呼吸を忘れて見入ってしまう魅力に満ちている。一方で、もちろんまだまだな、これからの伸びしろに期待される歌唱は、実際のところ、特に高音の部分など今でも思わず震える美しさだったし、ハモリもポップス的というよりは、どこか合唱的で、またそれが彼女たちの色合いに合っていた。きっと彼女たちの大きな武器となる(し、歌う彼女たちを待っていた人も多いだろう)。そして、「まだ見ぬ世界」では、軽やかに踊りながら歌う、という、彼女たちに期待されているであろう姿をしっかり見せてくれた。
@onefiveの踊る姿に秘められているものが何なのか。洗練されたしなやかさ、研ぎ澄まされながらも鋭いというよりは柔らかい表現力、何より個人的に、その上品さが他のグループと一線を画しているように感じる。表面的な上品さではなく、凛とした内面を浮き上がらせる立ち居振る舞い、躍動感を損なわず自然に湧き出る上品さはこの上なく美しい。ひょっとすると、それはこれからの彼女たちには壁となり、枷となるのかもしれないが、人の数だけある想いの込め方の中で、自然と彼女たちに選ばれたその表現を、どうか大切にしていってほしいと思う。
ふわっとしたことをたくさん書いてしまったが、早く次のパフォーマンスを体感したい。できれば、一つのライブでいろいろな衣装を着ていただけると、より世界観が広がるのではないか、と思うし、何より綺麗で可愛らしいみなさんをたくさん観たいじゃないですか。


ニックネーム:bennybebad

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