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【取材レポート】英単語暗記ローグライクRPG開発プロジェクトを大学生が発表「ニコニコ超会議2023」

2023年4月29日、千葉県の幕張メッセにて「ニコニコ超会議2023」の1日目が開催されました。

今回、日本アーティスト協会の広報でVTuberのlamb寝が、文教大学情報システム学部情報システム学科が出展したブースにて「関連付け方略に基づく教育支援を目的とした英単語暗記ローグライクRPG開発プロジェクト」を取材致しました。

日本アーティスト協会でも、「ドレミファポテト」という知育カードゲームをCrescere音楽教室と共同開発しています。
ゲーム×勉強の組み合わせによる勉強意欲や記憶定着の向上等の理解を深めるべく、今回取材させていただく運びになりました。

↑ニコニコ超会議2023の看板前

取材にご協力くださったのは、文教大学情報システム学部情報システム学科のA15班の方々。ありがとうございます。

◆英単語暗記ローグライクRPGとは


英単語暗記ローグライクRPGとは、英語学習についていけなくなった中学生向けに作られたゲームです。

・勉強に取り掛かりやすくする
・苦手な部分を分析しやすくする

この二つを実現できると、先生側の負担が減ります。
これがこのプロジェクトの第一の目的となっています。

早速、ゲームをプレイさせて頂きました。

こちらがホーム画面です
メニュー画面。「続きから」「最初から」「学習履歴」「ゲーム設定」から選択ができます。
ステージ選択画面です。
学年で学習範囲が選べます。
このマップを上まで進むと最終的にボスの元へ辿り着くようになっています。
戦闘画面。正しい答えを4択から選びます。

出題に対して正しい答えを選ぶと、敵にダメージが入り、間違えると自分の体力が減ります。


◆学習課題

敵キャラのデザインは問題の属性に関連付けられています。(上画像の敵キャラは時間に関連する問題を出してくるので鳩時計モチーフのデザイン)
これは2つの学習法役に基づいて設計されています。

関連付け方略とは、新たに学習しようとする知識を、既に知っている知識と結び付けて覚える学習方法のことです。

また、短いスパンで繰り返し多くの問題を解くことで学習効率を高める方法として「リハーサル方略」というものがあります。
英単語帳アプリは『リハーサル方略』の一例ですが、大きな課題があります。元々英語が苦手な生徒にとっては受け入れづらく、継続が困難なのです。

実際筆者も、元々英語に苦手意識があり、様々な英単語帳アプリを試しましたがどれも続きませんでした。


◆課題解決のポイント

A15班のみなさんが今回開発した『英単語暗記ローグライクRPG』は、ゲームという楽しい要素を取り入れることで、『リハーサル方略』を取り入れながらも、従来の英単語帳アプリが抱える課題の解決を試みています。

更に、このアプリの素晴らしい点はフィードバック性能にもあります。
まずはこちらの写真をご覧ください。

管理者ページ

この画面は管理者ページになります。ここでは、生徒個人の総プレイ時間、解いた単語数、正答率をグラフと共に確認ができるのです。

管理者ページの学習履歴画面

このように、一人一人の学習進捗や、成長を可視化できるので、指導側から生徒へのアプローチの仕方を考える手助けにもなります。

そして、筆者が特に驚いたのは、次の画面です。


自動生成の小テスト
自動生成の小テスト2

管理者ページでのフィードバックを利用して、自動でその生徒に合ったオリジナルの小テストを生成してくれます。

そもそもこの開発プロジェクト自体が、『関連付け方略に基づく教育支援を目的とした英単語暗記ローグライクRPG開発プロジェクト』となっており、指導者目線に立った設計を心掛けたとのことです。


◆開発者の思い

このような素晴らしい知育ゲームを開発したチームの方々に、2点質問をしてみました。

Q.「開発にあたって、一番苦労したのはどの点でしょうか?」

A.「最初、ゲームに登場するキャラクターはフリー素材のつもりでした。
締め切り一ヶ月前に、ある程度完成させた状態で教授にチェックしていただいたんです。その際に、見栄えがあまり良くないと先生からご指摘いただきました。
せっかく関連付け方略を取り入れたローグライクRPGを作るなら、それに相応しいキャラをオリジナルで作らないといけないと。
それで、残りの一ヶ月で20体以上のキャラクターを描いたのですが、それが一番大変でした。」

ゲームで登場するキャラクター達の画像データ

Q.「これからの英語教育はどのようになっていって欲しいですか?」

A.「小学校から英語が義務教育となりましたが、躓いてしまった子のケアが今は行き届いていないと感じます。そういった子のケアが出来ていけたらいいなと思っています。」


◆取材を終えて

グローバル化やIT分野の進歩、そして少子化問題などから、教育制度や体制の見直しが早急に求められている現代。
子供は世界の宝で、その子供の教育は私たち大人が取り組むべき課題です。

「得意を伸ばす」ことも大切ですが、「苦手意識を持った子を取りこぼさないようにする」工夫も大切なのだと今回の取材で再確認しました。

日本アーティスト協会では、アートやクリエイティブ×教育の分野をこれからも応援・推進して参ります。

改めまして、取材にご協力してくださったA15班の皆様、ありがとうございました。

(文=lamb寝)

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