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「生きる技法」を読む前に

私は「助けてください」と言えない。
助けてもらうなら、なんとか自分で解決するか我慢する。
子供の時から、助けて、とは言えなかった。
どんなに苦しくても。

安富歩先生の「生きる技法」 この本を手にした時、
本の帯のキャッチコピーを見て愕然とした。
この人生で「助けてください」と言ったことは一回もない。
助けてくださいという状況が全くなかったわけではない。
むしろ、本当は助けて欲しかった時の方が多い。
今も助けて欲しいぐらいだ。

親・兄弟・親戚・友人・恋人の誰にも
「助けてください」と言ったことがない。
どちらかというと、助けてくださいと言われる方だ。

自分を省みず、やりすぎるぐらいしてしまい、
あとで後悔することも何度かあった。
それでも自分から「助けてください」とは言えなかった。

これは自分の性分かもしれないが、
その原因はきっと子供の頃にある。

私は四人兄弟の末っ子である。
普通末っ子の女の子というと、
甘えて育った我儘な子というイメージだと思うが、
私は上の兄弟からしごかれて育ったので、
甘えさせてもらった覚えはない。
抑圧されてた方だ。

両親もどちらかというと、
優しいお父さんお母さんというタイプではなかったし、
夫婦喧嘩も絶えなかったので、
家族の中では言いたいことを言えなかった。

それが原因かどうかわからないが、
言いたいことや苦しいことがあると、
喉の奥あたりの胸のところが、
きゅぅと締まり声が出なくなり、
本当に言いたいことが言えなかった。

喧嘩をやめて。
大声を出さないで。
仲良くして。
私にあたらないで。
私を助けて。

今も胸の奥がきゅぅとなる。

あぁ
この本を読めば
助けてくださいと言えるのだろうか。

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