DACのパイオニア、スイスのClimeworks② と炭素固定のCarbfix
Orca(オルカ)は、クライムワークスが運用する、アイスランドにある世界最大級のDACプラント。年間4,000トンのCO2を回収できる。ちなみに「オルカ」とはシャチのことかと思ったが、アイスランド語で「エネルギー」という意味だそうだ。
世界最大級のDACプラント「オルカ」
2021年9月8日、アイスランド・ヘリシェイディのDACプラント「オルカ」が稼働を始めた。これは、スイスのクライムワークスとアイスランドの炭素固定スタートアップCarbfixとの共同プロジェクトだ。
オルカは、CO2を回収する8つのユニットで構成されている。1ユニットが年間に回収するCO2量は500トン。8ユニットなので年間4,000トンのCO2を回収できる。
オルカの外観には、アイスランドの景観になじむように木製のパネルがデザインされた。これまでのクライムワークスのプラントはメタリックな印象だったので、デザインにもかなり配慮されていることがわかる。
プラントを動かすのに必要な電力は、同地域のヘリシェイディ地熱発電所から供給されるという。なお、ヘリシェイディ地熱発電所には三菱重工業の高圧タービンと東芝の低圧タービンが使用されている。
ヘリシェイディには、クライムワークス初のDACプラントである「Arctic Fox」もある。2017年から稼働しているArctic FoxのCO2回収能力は、年間50トンだ。
回収したCO2を固定するスタートアップCarbfix
クライムワークスが回収したCO2を固定するのは、アイスランドのスタートアップCarbfix(カーブフィックス)だ。カーブフィックスは、回収したCO2を水に溶かして地中に埋め、鉱物として安定化させる技術を有する。
同社によると、2016年時点で固定まで含めたDACプラントの運用コストは、二酸化炭素1トンあたり24.8米ドル(約2,814円)だという。
カーブフィックスは、2020年にアイスランドの発電会社レイキャビク・エナジーの傘下となった。さらに、2021年10月には、資源世界大手のリオ・ティントと炭素回収・貯留の戦略的パートナーシップを交わした。
クライムワークスとともに、カーブフィックスも大いに注目のスタートアップだ。
参考:https://climeworks.com/
参考・画像出典:https://www.carbfix.com/
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