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教習が始まるまで時間があり、控室で若いにいちゃんと2人きりになった。
私は頭のなかでコースを走っていた。
するとにいちゃんが、「なんの免許ですか」と声をかけてきた。
こんなおっさんに声をかけるなんて、珍しいことがあるものだと思いながら「大型です」と答えた。
誰かが、質問してくる人は質問されたがっているといっていたので、「そちらは」と質問してあげた。
にいちゃんは「自動二輪です」と。
「ああ中免ですね」と私。
2分くらいの会話で得た情報は以下のとおり。

●29歳
●ハンターカブを予約済み
●車の免許は持っていない
●冬もハンターカブで走ろうと思っている

冬はハンターカブでもバイクに乗らないほうがよいといった。
「死んじゃいますかね」と言ったので、「死んじゃいます」と答えた。
さらに「なぜ大型を取ろうと思ったんですか」と聞かれたので正直に答えた。つまりこうだ。

●中型で十分だと思っていたが
●歳を取って最後のバイクを意識し始めたとき、欲しいものはすべて大型だった

にいちゃん「僕も中型で十分だと思っているんですが、やっぱり大型っていいんですか」
私「バイクブームのときは400㏄でも良いバイクがあったけど、最近はメーカーがちゃんとした400㏄をつくらないよね。そうなるともう大型しかない感じで」
にいちゃん「大型のパワーって要りますかね」
私「要らない要らない。でも長年バイクを趣味にしてきて、最後まで良いバイクに乗れないのは寂しくて」

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