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要するにBPMシステムとは、ITで仕事を管理して効率化の道を探る取り組み


「ビジネス・プロセス・マネジメント・システム」(BPMシステム)は、BPMを進めるコンピュータ・システムである。
BPMとは、業務工程を管理したり、業務工程を最適化したりして、効率化と生産性の向上を目指す取り組みである。
システムとは、コンピュータを使って、従来の作業を自動化する取り組みである。
したがって、企業がBPMを進めるときにBPMシステムを導入すると、業務管理の効率化と生産性向上が、自動で進むことになる。

■BPMとは

BPMシステムを理解するために、「BPM」と「BPMシステム」にわけて考察していく。
まずはBPMを確認していく。
BPMで「やること」は、1)業務工程を分析し、2)業務を最適化し、3)継続的に改善していくことの3つである。
1つずつみていこう。

■業務工程の分析

業務工程とは、従業員1人ひとりの「自分の仕事」の進め方であり、自分の「前工程や後工程とのつながり」である。

BPMに着手していない企業の業務工程は、大抵の場合、無駄が多く非効率的である。しかし「BPMに着手しよう」という号令がかかったとしても、現場の社員1人ひとりが、独自に業務改善を始めるわけではない。
なぜならBPMは、経営戦略やビジネスモデルに沿って進める必要があるからである。

そこでBPMに取り組む企業は、BPM作業班をつくったほうがよいだろう。
業務工程は、個人のものであると同時に、全体のものである。したがって、BPM作業班は、現場で進める具体的なBPM作業と経営戦略の整合性を取りながら、「業務工程の理想の姿」を考えていかなければならない。
これがBPMにおける業務工程の分析になり、BPM作業班の最初の仕事になる。

■業務の最適化

BPM作業班は、業務工程の分析の次に、現場の人たちと一緒に「業務工程の標準」を作成していく。この標準形こそ、業務が最適化された形である。
この標準を社内に浸透させることができれば、自ずと業務工程が効率化されていき、生産性が向上する。

■継続的な改善

BPMの「1サイクル」は、最適化された業務工程の標準が、全社員に浸透した時点で終了するが、1サイクルの終了をもってBPMが終了するわけではない。
BPM作業班は、1サイクルのゴールが見えた段階で、2サイクル目の取り組みを考えなければならない。

BPMは永遠に続けていかなければならない。
なぜなら、企業が置かれている環境は時間の流れとともに変化していき、そしてその環境の変化は企業の存在を脅かすものとなる。
企業合併、ライバルの台頭、自社製品の陳腐化、新しいITの導入などに、企業は対応していかなければならない。
そして「企業が変化に対応すること」の具体的な作業がBPMとなる。

言うまでもなく、企業の行動は、従業員1人ひとりの業務の総体である。
したがって、企業が変わらなければならないのであれば、従業員の業務も変わる。そして従業員1人ひとりが勝手に業務改善を進めていったら、その総体はちぐはぐなものになる。
そこで、BPMを使って、経営戦略やビジネスモデルとの整合性を取りながら、業務工程を管理、改善していく必要がある。

■BPMで得られる果実

BPMに取り組む企業は、次のような果実を得ることができる。

・事業展開の迅速化
・海外進出
・製品とサービスの品質向上
・属人化された業務の標準化(暗黙知の形式知化)
・標準化された業務の更新(形式知の暗黙知化)
・部門間連携の強化
・変化への対応力の向上
・スキル、設備、ITなどのリソースの配分の最適化
・コンプライアンスの強化

そしてこれらが実現すれば、コスト削減、顧客満足度の向上、売上高の向上、利益率の向上につながる。

■BPMシステム

BPMはいわば「カイゼン運動」の現代版といえる。
そのため、手作業でBPMを進めていては、「BPM業務」が効率的にならない。BPMは社内全体の業務工程を効率化する取り組みなのに、BPM業務それ自体が非効率では「おかしな話」である。

そこでBPMを進めるには、IT化していく必要がある。コンピュータを導入するのである。
つまりBPMシステムである。

BPMシステムを導入すれば、次のような課題を解決できる。

・紙やメールで作業をしているので、効率が悪いし、記録に残らないし、データが取れない
・直属の上司ですら、誰がどの業務をしているのか把握できていない
・自分の仕事の前工程と後工程に無頓着な従業員がいる

こうした課題を解決するのは、BPMシステムの各ツールである。
BPM作業班は、自社の課題を洗い出し、その解決につながるツールを導入することになる。これこそが「会社にBPMシステムを導入すること」になる。
主なツールは次のとおり。

・ブラウザ・モデリング
・パーソナル・タスクリスト
・進捗モニタリング
・社内処理
・事務作業の自動処理と無人化
・OAuth2 API

■BPMシステムを導入するときの注意点

BPMシステムは高額である。したがってBPMシステムを導入しようとしている企業は、事前に、それによってどのような果実が得られ、その果実が「いくら」に相当するのか算出しておく必要がある。そうしないと、費用対効果がわからないから、BPMシステム導入のコストに見合うメリットがあるのかどうかもわからない。
また、経営者が、BPMシステムを導入して「これだけのメリットを得る」という目標を従業員たちに示さないと、BPMシステムを使った業務改善の「姿」が見えてこない。

参考URL
https://www.idearu.info/article/bpm/business-process-management
https://questetra.com/ja/

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