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ICT民間療法-小規模事業のライフハック

2020年、ビジネスのあり方が、大きく変わり始めたことは、いうまでもないでしょう。
営業や商取引のオンライン化が急速に進み、小売りは実店舗からネットへと比重を大きく移し、運輸やデリバーリーの需要が急増していることはご存じのとおりです。

しかし、こうした流れから取り残された業界や企業もあることでしょう。
例えば、最初の緊急事態宣言の時に話題に上がった「リモートスナック」や「リモートキャバクラ」など、いまではあまり話題に上がりません。
また、インディーズミュージックを支えてきたライブハウスも、リモートに対応してはいるようですが、コロナ前ような売り上げは難しいことでしょう。

その他にも、IT、ICT、DXなどと世間で話題になっていても、「自分たちの事業には活用できない」「何をやったらいいのかわからない」「チャレンジしたもののうまく使いこなせない」、という事業主の皆さんも多いことと思います。

自己紹介が遅くなりました。
フリーランスのWEBクリエイターを営んでいる葛西芳臣です。
コピーライターとして、広告代理店から広告プロダクションを経て、某出版社でパソコン雑誌などで企画・執筆・編集を行い。フリーランスになってからは、WebPageの企画・制作などを請け負っています。

ウェブ業界は、簡単に勉強しただけではじめられ、そうしたフリーランサーを集めれば、比較的低い運用コストで事業が行えることもあり、中小の制作会社が乱立しています。

私も何社か訪問したことがありますが、ある程度の規模の企業や事業主にキレイでカッコイイWebPageと、検索結果を重視したSEOをセットで提供。売り上げが芳しくないようなら、コンサルティングとネット広告への出稿を提案する、といったWEB制作会社がほとんどのようです。

私のように、組織に属さないフリーランサーの場合、そうした制作会社とは違って、より小さな規模の事業主とお取引しています。
そこで、感じることは、中堅規模以上の事業主に役立つノウハウや情報は、ネットにも書店にもたくさん並んでいるものの、どんな業界でも使えて、小売店や町工場などの小規模事業者に役立つ情報は、ほとんどといっていいほど存在しない、ということです。

小規模事業者にとって必要なICTとは、キレイでカッコイイことよりも、検索エンジンで上位表示されることよりも、事業のどの部分をデジタル化すれば、時代に向き合った経営ができるのか、どんなコンテンツを用意すれば実際の売り上げにつながるか、それを実現するためのテクノロジーです。

例えば、先ほど例に出した「リモートキャバクラ」などは、20年以上前から存在する有料のビデオチャットとアプローチがほとんど同じです。システム自体は数十万円で購入でき、クレジットカードによる課金にも対応していて、キャバクラをはるかに超える売り上げのビデオチャットもあります。
しかし、そういった提案を受けて、実際に有料ビデオチャットに経営をシフトした、という話はほとんど聞こえてきません。

そもそも、ネット利用の多くがパソコンだった時代のコンテンツやシステムなどが、スマホ世代のクリエイターには継承されていないのかもしれません。もし、有料ビデオチャットの存在を知っているのなら、ネットで発信されている「リモートスナック」や「リモートキャバクラ」のノウハウや情報で話題に上がっていないとおかしいからです。

小規模事業者にもICTが必要になったいま、ネット利用の多くがパソコンだった時代のノウハウを見直し、スマホ対応にすることで、事業を新たなステージへと駆け上がるチャンスがあります。

そうした兆しを感じさせるのが、一昨年からネットラジオの運営会社が数々誕生していることです。パソコンが主流だった時代に隆盛だった「ネトラジ」をはじめ、多くのネットラジオが既に運営を終了している中で、スマホアプリとして、新たなネットラジオがはじまり、まだ少数とはいえファンを獲得し、徐々に話題になっています。

この不定期連載では、PC時代のテクニックを活用した「おばあちゃんの知恵袋」的なICTノウハウから、最新のアプリやシステムを事業に生かすためのライフハック、ちょっと変わった視点からの経営情報を発信していきます。

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