見出し画像

黒人は他の人種よりも何倍も気をつけて暮らさないと犯罪者と決めつけられるという現実


筆者がベースで働いていた頃のある日のことでした。同僚の黒人男性・ラリーと一緒にかなりまとまった大きな金額の紙幣を扱っていたのですが、私はどうしてみようにも眠気が覚めず、一瞬ふらっとしてしまったのです。するとラリーが慌ててこういいました。
「マリア!頼むから少しそこに座っていてくれ!」
そして彼は走ってどこかへ行ってしまいました。5分くらいすると手に発泡スチロールのカップを持って戻ってきました。そこにはどこからもらってきたのかわかりませんが、コーヒーが入っていました。クリーマーもお砂糖も持ってきてくれたラリーは、椅子に腰かけていた私にこう言いました。
「さあ、コーヒーを飲んで。血糖値が下がっているなら砂糖も少し入れて。君が今ここで倒れたら僕は大変な目に合うんだ。僕らは監視カメラに映っている。そして互いに接近して一緒に作業をしているんだ。そこで君が倒れたら、いかつい黒人の男がか弱いアジア人女性を乱暴したように見えてしまう。倒れないでね」
私はラリーのこの言葉を聞いた時、今までいかに彼が、そして黒人達が肌の色で様々なことを決めつけられてきたのか、そのほんの一部を見た気がしました。濡れ衣を着せられてきた黒人もいるのではないか・・・とか。差別されて傷ついて、動揺してしまってそれがさらにその人を怪しく見せてしまい、不利な立場に置かれた人もいるのではないか・・・。
超堅物のラリーだからこそこんなことを言ったのかもしれません。黒人達の中には自分を守ることをせず「いざその時になれば話せばわかるだろう」と思い、悠々と構えている人だって大勢いるでしょう。
ラリーのように心配をしながら生活をしなければならない黒人がいる。アメリカで犯罪を起こす人間の人種別の統計では黒人が圧倒的に多いからしようがない、で済ませてよいのでしょうか?全米で最も危険なエリアWorst10みたいな場所に行くと、そのエリアの人口に対する黒人の比率は高くなります。そんなところにのこのこ行って「黒人と仲よくしよう!」と叫べと言っているわけではありません。自分の身を守ることは大切ですから。かく言う筆者も若い黒人女性に対して強い苦手意識を持ったことはあります。割り切れるまでに時間を要しました。もし筆者が攻撃的な若い黒人女性に対し、毅然とした態度をとった場合に「私が黒人だからそういう態度をとるの?!」と言われたら「いえ、黒人だからではなく、あなたが失礼だからです」とはっきり言えるようにまでなりました。

ブログ記事:若い黒人女性客に対する苦手意識がふっきれたきっかけ

それでも「黒人だから差別されてもしようがない」「殺されてもしようがない」とは思えないのです。キャメロン・ウェルチ君という18歳の黒人青年が【母が作ってくれた若い黒人が従うべき暗黙のルール】という動画をTikTokに投稿して話題になりましたね。

・手をポケットに入れてはいけない
・パーカーのフードをかぶってはいけない
・シャツを着ることなく(上半身裸で)、外に出てはいけない
・一緒にいる相手がどんな人か確認する。たとえ路上で会った人でも
・遅い時間まで外で出歩かない
・買わないものを触らない
・たとえガム一つだったとしても、何かを買ったらレシートかレジ袋なしで店を出てはいけない
・誰かと言い争いをしているように見せてはいけない
・身分証明書なしに外に出てはいけない
・妻や女性に暴力を振るう人と一緒に車に乗ってはいけない
・ドゥーラグ(頭に巻く、スカーフのような布)をつけたまま運転してはいけない
・妻や女性に暴力を振るう人と出かけたり、ドゥーラグを巻いて出かけたりしてはいけない
・大きな音楽をかけて車に乗ってはいけない
・白人の女性をじっと見てはいけない
・警察に職務質問されたら、反論してはいけない。協力的でありなさい
・警察に車を停止させられたら、ダッシュボードに両手を乗せて、運転免許証と登録証を出してもいいか尋ねなさい

黒人というだけでこれだけハンデがあるのか・・・。どこか他人事のように思ってしまいますが、実際に黒人という人種ががどういう風に見られているのかをわかっており、だからこそ自分を守るために他の人種よりもうんと気をつけている様子を間近で見ると、アジア人である筆者には到底理解、共有できない苦労があるのだとつきつけられます。


モチベーションになります。ありがとうございます!