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【世界一わかりやすい】KASTとは何か

みなさんこんにちは!
万年シルバー帯のさわでぃです!

今回は、最近Valorantの大会でも見るようになったKAST(指標)とは何か?を、
世界一わかりやすく説明していきます!

この記事を読めばあなたもKASTマスターです!


KASTとは


KASTとは、
K:Kill A:Assist S:Survive T:Trade
の4単語の頭文字をとったもので、
Valorantをはじめとした「戦略系FPS」における、プレイヤーのパフォーマンスを示すKPIの内の一つです。
なんだか英単語の頭文字をつなげるだけでカッコよく見えますね

そんなKASTは、

①Kill(キル 相手チームのプレイヤーを倒すこと)
②Assist(アシスト 味方のキルをアシストすること)
③Survive(生存 ラウンド終了時点で生存していること)
④Trade(トレード 自分が敵に倒された時に、自分を倒した敵をすぐ味方が倒すこと)

いずれかが発生したラウンドの割合(KASTは%表記になります)を示しています。

(a 75% KAST score means that in 75% of all rounds they played, the player got a kill, an assist (of any kind), they survived, or were traded out by a teammate.)

例えば、合計5ラウンドをプレイして

という結果になれば、

KAST = 3回KAST / 5ラウンド = 60%

ということになります。

ここで重要なのが、1ラウンド内で何キルしようが、何アシストしようが
KASTあくまでも「全ラウンド中、KASTフラグが立ったラウンドの割合を示しているだけ」なので
上表のようなキル数になっても、1ラウンドで複数回KASTフラグが立つことはなくKASTは60%(KAST3ラウンド/全5ラウンド)となります。


KASTのココがすごい!(©️帝京平成大学)


さて、KASTの定義について確認したところで
KASTの指標として優れている点について見ていきましょう。

優れている点を見るためには、まず現在よく使われている指標「ACS」について少し知っておく必要があります。
ACSとは、「Average Combat Score」の略で、Valorantでは、以下のように定義されています。

ダメージ:1ポイント/1ダメージ
キル(相手の生存数に応じてポイントが変わります)
:5人生存時:1ポイント50(以下相手の生存数が1人減るごとに-20ポイント)
複数キル:+50ポイント/追加1キル
ダメージを与えないアシスト:25ポイント


ややこしい上、今回コイツは主役ではないのでざっとの説明にとどめますが

例えば1ラウンド間で、

合計ダメージ:250
合計キル:2(敵4人生存時+敵2人生存時)
ダメージを与えないアシスト:2回

という成績の優秀な(シルバー帯では滅多にお目にかかれない)ジェットがいた場合
このジェットのACSは、

250+(130+90)+50+25*2 = 570

となります。



ACSはこんな感じで、大会のResult画面にも利用されている由緒正しい指標です。

さてこのACS計算方法から見てもわかるように、簡単に言えば
「1ラウンドで、どんだけ相手をしばいたのか?」というのを数字にした指標です。
ある意味で、チームプレイを無視しても撃ち合いに行って、モク抜きをして、とにかく左クリック(発射ボタン)を押していれば稼げてしまうポイントです。

ここに、この指標の不公正さ、欠点があります。

どういうことか・・・

例えば、ヘイブンのこんなシーン



あるあるですよね。
ってか、シルバー帯のヘイブンなんかほぼこれです。

で、こんな場合「ACS」を稼げるのはどのエージェントでしょう。
前述のように、ACSは「1ラウンドで、どんだけ相手をしばいたのか?」という指標ですから、
当然、打ち合いが発生しそうなAサイト付近 特に、ジェットなんかはきっと効率よくACSを稼げるでしょう!

ジェットはうまくいけばファーストキルを取りますが、大体そのあと倒されます。
なんだか微妙な働きですが、それでもACSは400ぐらいになりそうです。

一方、見てくださいスカスカのCサイトで健気に頑張るサイファーくんを。
ただ、撃ち合いが発生することはほぼないので、ACSは全く稼げません・・・
まあ、色々あってこのラウンド終了後ACSは100ぐらいのもんでしょう

しかししかし!
このサイファーくんは、全く仕事をしてないのでしょうか。
また、「俺は仕事しましたwwwww、味方wwww、雑魚すぎてwwww、辛いwwwww」みたいに思っている
ファーストピックだけ取ってのたれ死んだジェットは、果たして健気に頑張るサイファーくんの4倍も評価されるべきなのでしょうか。

思えば、上図のようにAサイトに人数を寄せられたのは、Cサイトを守るサイファーくんあってのことでした。
また、キルこそ取れなかったものの、裏取り警戒を怠らず、最後の一人になるまで戦っていました。男の中の男です

こんなあるあるの場面ですが、
試合後残念ながらサイファーくんはイキリジェットに、そのACSの低さを揶揄われてしまうかもしれません。

では、この場面KASTを使って考えてみます。


どうでしょう

ジェット: 2回 / 3ラウンド = KAST 67%

サイファー: 3回 / 3ラウンド = KAST 100%

となり、なんとサイファーくんが、指標的にも上回りました!

具体例が長くなってしまいましたが、これがKASTの強みです。
つまりKASTは、キルやアシストなどの攻撃的な行動以外の立ち回りについても、評価がなされる指標なのです。

Valorantなどの戦略FPSにあるあるですが、キルや撃ち合いだけが味方への貢献という訳ではありません。
生き残り、味方をサポートする役回りも非常に重要です。
そういった要素を、キル・アシストと同程度に評価できる指標がKASTということになります。


KASTのココが弱い!(©️帝京平成大学)


さて、そんなKAST指標ですが弱点がないわけではありません。
以下にいくつか列挙してみます。


  1. Kill(キル)とSurvive(生存)が完全に同価値になる

  2. IGLなどサーバーに情報が残らないアクションを反映できない

まず 1.「Kill(キル)とSurvive(生存)が完全に同価値になる」 についてです。
最初にお話ししたように、KASTは「全ラウンド中、KASTフラグが立ったラウンドの割合を示しているだけ」なので
1ラウンドで複数KASTフラグがカウントされることはありません。

ですから、

②1ラウンド中Aceを取ったジェット
①1ラウンド中0キルのまま、ジェットの後ろで最後まで生き残ったサイファー

この2パターンのKAST指標上の価値は全く同じです。

ただ、ゲームの性質上やはり上記の2パターンが同価値というのは納得できないところではあります。
こういった場面から見ても、KASTはある側面では完璧な指標とは言えないので、ACSなど他の指標と合わせて分析していくのがいいですね。

そして 2.「IGLなどサーバーに情報が残らないアクションを反映できない」 についてです。

こちらはもはや、現存するすべての指標に言えることですが、サーバーに記録が残らないプレイについては、計測できません。
例えば、

チームゲームには、IGL(In Game Leading)という役割があります。
試合中にチームに対して指示できないコーチに代わり、チームメンバーを代表して、試合中のチームの動きを支持する役割です。
IGLは、戦略系FPSゲームにおいても非常に重要な役割を果たします。

「このタイミングでリテイクしよう!!」
「多分、Bサイトに敵多いよ!!」
IGLは、自らが自らがデスしたあとも、このような指示をチームに対してするわけですが、
当然先ほど紹介したKAST・ACSではその貢献度を反映することはできません。

こういったチームマネジメント的な要素はえてして、指標からは除外されてしまいます。
こういった要素を含めてプレイヤーのプレイヤーのスキルを測ることの出来る指標が、業界全体で求められています。


最後に!?


気づいたら、KASTの概要説明だけで鬼ほど書いてしまったので、
Big Timeさんの書いた内容にはほとんど触れられませんでした。(なんで?)

次は、いよいよ
「EVALUATING PLAYER IMPACT THROUGH KAST PERCENT AND THE DISTRIBUTION OF IMPACT ACROSS A TEAM USING THE IMPACT DISTRIBUTION COEFFICIENT USING DATA FROM THE EMEA LAST CHANCE QUALIFIER」
の内容に深く立ち入って見たいと思います!

ご期待くだされ!

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