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靴=自己評価ならば

自問自答ファッションにおいて靴は自己評価らしい。思えばなるほど確かにそうかもしれないと思う。

職場の同僚のYさんは2万、Sさんは2千円の仕事用のパンプスを履いていた。
Yさんは自分のことも周りのことも大事にできる人で、みんなから好かれていた。幸せオーラがあふれる素敵な方だ。5cmヒールのアーモンドトゥのパンプスは、きちんと足のサイズを計測して買ったものだそうでとてもよく似合っていた。
一方でSさん。カポ、カポと間抜けな音を立ててサイズの合わない2,3cmヒールのパンプスを履き、姿勢がとても悪く誰がどう見てもスウェイバック。話す内容は彼氏のことばかりで職場では好かれておらず、浅く世渡りのためだけにキャラを作っている感じがした。きっと本当は自信がないんだろうなという言動が多かった。

ひとの事だけでなく、わたしにも当てはまる。
はたちまでは靴なんてすぐ汚れるしへたるし消耗品だと思っていた。3,000円すれば高いほうで、買っては履き潰すものだと思っていた。靴オンリーで作っているメーカーのアイテムなんてほぼ持っていなかったし、靴はアパレルショップでついでに買うものだった。
それに、わたしは特に夏場の手のひら&足の裏の汗の量が尋常じゃないので、不潔にならないようにと買い換える以外に方法を知らなかった。
でも、足の裏に制汗剤を塗ってみたり、フットパウダーやベビーパウダーでだいぶ緩和されることを知ってからはブーツのムレもあまり気にならなくなった。自分でマーチンの8ホールや20ホールを買ってからは、めんどうだと思っていた革の手入れもとても楽しくなってきた。

就職してパンプスが必要になったとき、上記のYさんに教わったお店で初めて自分の足のサイズを測り、諭吉が2人も飛んで行くパンプスを買った。
買ったときはあまり思わなかったが、翌日仕事に履いていくとすごく歩きやすく足が長くなった気さえするようなフィット感でたいへん心地が良かった。立ち仕事だが脚の疲れもかなり軽くびっくりした。本当にパンプスに感謝した。

自他共に認める超ズボラなわたしが、きちんと黒いクリームを塗り込んで磨き、乾燥剤を突っ込み、外も中も手入れを欠かさずするようになった。
大切なことを教えてくれた職場のYさんをとても尊敬している。Yさんは下着にはお金をかけるけど外に着る服はあまり買ったりしないという、自分を心地よくするのがとても上手な方だった。ご自愛の師。学ばせてくれて感謝。

靴=自己評価だとすれば、気付かないうちにわたしはどんどんアップグレードできている。使い潰すことはしなくなり、試着をし、他の候補とも比べてよくよく考えてから買うようになった。
靴に3,000円で高いと思っていた私が史上最高の金額、4万円代のロングブーツを買ってにやにやしている。これは大進歩だし、今までしてきたことは間違ってなかったんだなと再認識できた。
自分にはこれくらいの靴がお似合いだと、決めつけてしまうのはもったいないのかもしれない。