#Classicを踊る シリーズ R.Schumann作曲「森の情景 op.82」④

なかなか定期的に更新できてないですが、第4弾です。お待たせしました。

まずこの曲の解説に入る前に、この「森の情景」は各曲ごとに詩の一節を引用して作曲された作品であることに触れなきゃなりません。

第1曲と第9曲がグスタフ・プファリウス(ドイツ語版)の『森の歌』
第2曲と第8曲がハインリヒ・ラウベ(英語版)の『狩の文集』
第7曲はアイヒェンドルフの『詩集』から「薄明」

など引用先は様々。
様々な詩人の様々な詩集から集められた情景を一つの作品として発表したのですね。
元来それぞれの詩集の一節を、譜面の冒頭に提示してたそうですが、
この4曲目を除いて、すべて削除されています。

そして、この曲の冒頭にあげられている詩がこちら。。。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
Die Blumen,so hoch sie wachsen,Sind blass hier,wie der Tod;
Nur eine in der Mitte Steht da im Dunkeln Roth.
Die hat es nicht von der Sonne: Nie traf sie ;
Sie hat es von der Erde,Und die trank Menschenblut.
(訳)
光の届かない森の中で高く伸びた花は青白い。
ただ一本赤い花も、
陽の光ではなく、
大地の色、
人間の血を吸い込んだ赤色をしている。
~・~・~・~・~・~・~・~・~・~
というなんとも不気味な詩が掲げられているのです。

【私的曲解説】
この詩の深い部分はちょっと調べるに足りませんでしたが、
全体通して特徴的に符点のリズムが多用されてるせいで、不気味さを増してるわけですが、

このリズム「心音」に聞こえませんか??
終始緊張感のほどける瞬間のない、
嫌~なムードが効果的に響き渡ります。


一挙手一投足丁寧に音に寄り添ったので、そういうところも見ていただければと思います。

今回も見ていただいてありがとうございました。

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