BNLS(脂肪溶解注射)の成分や特徴について

はじめまして。第一回目は、多くの美容皮膚科やクリニックで提供されている施術の「BNLS」の成分や特徴について書いていこうと思います。

まずBNLSとは、BRAND NEW CLINICという韓国のクリニックの先生が開発陣として迎えられて開発された、脂肪溶解注射(メソセラピーとも呼ばれる)の薬剤で、施術の際は皮下脂肪の層へ注射器を使い注射していきます。

脂肪細胞に作用して破壊したり代謝を促す作用のある薬剤によって、注射した部位に存在する皮下脂肪を減少に導くというもので、皮膚の切開や熱による作用などが生じない侵襲性が低い施術です。

クリニックに納品時のBNLS薬剤(原液)はバイアル瓶に入っていて、一回あたりの施術で使用する分だけ注射器で吸い出して、リドカインなどの麻酔を少量加えて、皮下へ注射します。

原液をそのまま注射すると、薬剤の刺激によって注射時に強い痛みを感じやすいので、多くの医療機関では、おおよそ原液9:麻酔1の割合(クリニックごとに基準が若干異なる)で混合させた状態で注射を行います。

ただ、麻酔を一切加えず原液をそのまま注射するクリニックもあるようです。気になる方は各クリニックでの方針をご確認ください。

BNLSの成分について

BNLSは、古い順から「BNLS(初代)」「BNLS version2」「BNLS neo」「BNLS Ultimate」の4種類があり、現在も生産されているのはneoとUltimateの2つです(現時点)。neoとUltimateそれぞれの成分は、

BNLS neo:アデノシン三リン酸、アデノシンリン酸二ナトリウム、マンヌロン酸メチルシラノール、メチルプロパンジオール、チロシン(アミノ酸)、ペルシャグルミ(クルミ)、セイヨウトチノキ(マロニエ)、ヒバマタ(海藻)抽出エキス、デオキシコール酸

BNLS Ultimate:アデノシン三リン酸、アデノシンリン酸二ナトリウム、マンヌロン酸メチルシラノール、メチルプロパンジオール、チロシン(アミノ酸)、ペルシャグルミ(クルミ)、セイヨウトチノキ(マロニエ)、ヒバマタ(海藻)抽出エキス、デオキシコール酸、L-カルニチン、アーティチョーク、カテキン、コエンザイムQ10

です。

Ultimateの方がneoよりも新しい薬剤で、含有成分については、neoが9種類、Ultimateが13種類です。太字で強調した成分が、neoには含まれていなくてUltimateで新たに配合された成分です。

これらのなかで直接脂肪細胞に作用するといわれているのは、「デオキシコール酸」(Deoxycholic acid)です。米国の食品医薬品局(FDA)という機関で、2015年に成人におけるオトガイの皮下脂肪減少の作用が有効であると承認された薬剤(カイベラ)の主成分となります。

<参考文献>:https://www.accessdata.fda.gov/drugsatfda_docs/nda/2015/206333Orig1s000TOC.cfm

BNLSの効果について

Ultimateはneoよりもデオキシコール酸の含有濃度が高い薬剤で、メーカーによると脂肪溶解の作用が以前より15%高くなったといわれています。

neoは自然由来成分がメインであることから薬剤の副作用による腫れが生じにくいとされ、顔のように目立つ部位に対する施術に向いており、どちらかと言うと効果はおだやかと言えるでしょう。ただし、今も多くのクリニックで提供されていることから、根強い人気があることがうかがえます。

ただし、Ultimateは確実な効果があるかというと、そうでもありません。デオキシコール酸の含有量が濃い薬剤は他にもたくさんあり、またデオキシコール酸を含有しておらず、メインの有効成分が全く異なる薬剤もあります。

他の脂肪溶解注射の薬剤の種類について

様々なメーカーから色々な種類の薬剤が販売されていて、成分の種類も多種多様です。

有名どころではBNLS、カベリン、FatX、チンセラ、リポビーン、サゴニメルトなど。挙げるとキリがなくなってしまいますが、脂肪溶解注射について包括的にざっくりと特徴を知りたい方は↓のようなメディアを覗いてみても良いでしょう。

どのようなクリニックを選択するべきかについて

複数のクリニックを訪れて、カウンセリングを受けることが大切だと思います。仮に同じ薬剤で施術をする場合でも、担当医によって「どこの脂肪に作用させるか」は変わってきます。

例えば少し極端な例ですが、アゴの脂肪でも、一定量の薬剤をピンポイントで注射するのか、または少量ずつ分散させて注射するのかによっても仕上がりが変わってきます。

カウンセリングで自分が施術を受けたいパーツを伝えて、どのように注射をするかについてと、施術のリスク・副作用をしっかりと聞いて、自分が最も納得できると感じる説明をしてくれた先生が良いでしょう。

または、形成外科学会に所属している先生を確認して、その先生がいるクリニックで施術を検討するという選択肢もあります。↓

リスク・副作用・合併症・承認情報:BNLSは厚生労働省未承認の医薬品で、入手経路は各医師によるメーカーからの個人輸入です。施術により、注射部位の腫れ・あざ・疼痛・発赤、まれに起こりうる重篤な副作用として顔面筋衰弱・顎神経の損傷といったリスクがあります。


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