ずっとアリバイ工作


朝起きて一番に、食事のことを考えます。
だけれども手には霧吹きを握って、顔に吹きかけたら、そのまま日焼け止めを塗ってベビーパウダーをはたき、寝癖を直します。

寝間着から外着へと着替えます。夜は下着をつけないから、身体を締め付けるそれらは私の心をもそのようにします。

台所に牛乳があります。コップへ注いで、飲みます。
食道がカッと熱くなり、全身が涎を流しているように

冷蔵庫を何度も開けたり閉めたり。
気がつくと手を付けてはいけないものまで、もう私の胃の中でどろどろになっている

時計は8のところを指して、私の頭は固まっています。
脳裏に母、背後には父
その奥に、オフィスがあって、会社の人達ののっぺらぼうがそれぞれのデスクから、私を見ています。

一日、会社に行くことができなかった間、私が予定していた動きをするはずであったそれぞれの場所はどんな匂いで、どんな色でどんな味だったか。どんな、肌だったか

またこのまま逃げ出しても、暫く黒ずんで震えたらふつうが欲しくなるだけで、逃げ出さなくってもそれなりに喉が、痛む


冷蔵庫の中身を補填して、家から出ていないのに仕事から帰ったように見せるためだけにバスに乗る 帰ったら叱られて、罰金を支払う





貯金残高28円
カード利用額130,417円
給料日まで残り22日
支給予定金額141,000円

16:08、コバエが右手人差し指の付け根へとまる




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