アクセサリーブランド「アイマイナナメ」山田七生さん インタビュー 3/4
アイマイナナメの山田七生さんのインタビュー、第3回目。
今回は、アクセサリー作りのこだわりにはじまり、山田さんってどんな人なのか? 性格や内面についてお話を伺いました。
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山田七生(やまだ-ななみ)
https://www.aimainaname.com/
https://twitter.com/aimainaname
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ひとと違うものを
ーアクセサリー作りの中で、これがこだわりであるとか、大切にしているなと思うことはありますか?
一番の理想は「絶対他にはないもの」なんですけど、完璧にそこに近づけるのは(素材を自分で作っているわけではないため)今はちょっと難しいので、デザインですね。色とか形とか、私にしか出せないものを作りたいという思いはあります。
ー「他にはないもの」「自分にしか作れないもの」というのは、これまでにも何回かお聞きしているので、わたしの中では、山田さんを読み解くための重要なワードになっています。野暮な質問かもしれませんが、その気持ちは山田さんの、どういうところから湧いてくるんでしょうか。
昔から人とかぶるのがあまり好きじゃないんですよね。
ーアクセサリーとか、お洋服とか。
そうですね。わたしは全然個性的じゃないんですけど、できるだけ流行りのものとか、いや、流行りものすごく好きなんですけど、「人と同じは嫌」という気持ちはすごくあります。ちょっとひねくれてるのかなあ(笑)。その思いは、常にあるんですよね。
ーファッションのことは私ぜんぜん不勉強なんですけど、基本をちゃんと知ってるから崩せるっていう部分ありますよね。
うーん、基本を崩すというよりは、単純に、見てて面白くないなっていうのがあるんですよね。直感というか……。これは面白くないなぁ、つまらないなぁ、って感じる。
ー街の人がみんな同じ格好をしているのが気になっちゃったり?
そうですね。個性はどこに……? って思っちゃいます(笑)。
ずっと同じでいたくない
ー今までのお話を聞く中で、「山田さんって結構負けん気が強い方……?」と感じたんですが(笑)、いかがでしょう。
その通りだと思います(笑)。
ー嫌な質問かもしれませんが、この人、このジャンルには負けたくないって思うものはありますか。
うーん。今、ちょっと考えてみたけど、それも今は特にないかもしれないです。張り合う相手とかは特にないですけど、アクセサリーという世界で括られた時、絶対他の人と同じにはならないぞ、っていう意地はありますね。
ーでは、アクセサリー作りでも表現でも、壮大な「人生」っていうテーマでもいいんですけど、「これと戦っているな」と感じることはありますか。
なんだろう。強いて言うならば……。言葉が出てこない(笑)。なんて言うんでしょう。ずっと同じでいること? ずっと同じでいることが嫌です。
ー自分がずっと同じでいること、ですか?
はい。
ーご自分にすごく厳しいですね。
そうかもしれないですね。今お話していて思ったのは、わたしの一番嫌いなのが「縛られる」ことなんですけど、例えば何かを一本に定めたり決めたりすると、自分の中の何かが狭まってしまって、その一本に乗らなかった他の色々なものたちがこぼれ落ちていく。それが嫌なんだなーって。
ーあ、そういう意味でも「アイマイ」でいたい、ということなんですね。そういう、縛られることが嫌だなって思うのは、縛られて嫌だったとか、そういう経験があったんでしょうか?
わたしはすごくマイペースで、自分が強いなと思うんですよね。それを抑えられるのが嫌い。過去に抑圧された経験があったっていうことでもなく、すごく自由に育ってきたので、それを崩されるのが嫌。なんかすごいわがままな人間みたいなんですけど(笑)、それがわたしっていうことなんでしょうね。
山田さんの蔵書の一部(Instagramより)
マイペースでいたい、人のペースに合わせるのは疲れる
ー自由に、マイペースを崩さないところも、わたしとしてはすごくかっこいいな、と憧れるわけなんですが、人のペースに飲まれないというのは、最初からそうだったんですか? それとも、だんだん自分のペースを分かっていったんでしょうか。
後者だと思います。やっぱり学生時代は、人に合わせることが多かったなって。もちろん、今も仕事では合わせているんですけどね(笑)。仕事は合わせて当然だと思っているので。学生時代は、友達もたくさんいて 仲が良かったですけど、自分がだいぶマイペースだなというのは自覚していました。
ー人に合わせるのって、かなり体力を使うというか、疲れますよね。
疲れますね(笑)。かなりゆっくりした方向のマイペースさがあるので、早いちゃきちゃきとした人と合わせるのが疲れる。すいません、こんなこと言って(笑)。
ー「ゆっくり」「早い」以外で、人に合わせなくてもいいか、と思ったことはありますか。
価値観ですかね。価値観って、違うのが当たり前ですし、この人のこれが嫌い、許せないということは特にないんですけど、合わなすぎる人と無理に合わせなくてもいいかと思った瞬間があって、そこからどんどん友達が減っていきました(笑)。大人になるにつれてどんどん限られた友達、価値観の合う友達と付き合うようになってきましたね。
中身は好き、外見は嫌い!
ー山田さんはご自分の事は好きですか?
中身は好きです。自分の中身、性格ですかね。これは、好きというか、嫌いじゃない。嫌いな部分は外見ですね。見た目、外見。大嫌いです(笑)。
ーええ。それはどうしてなんですか。
理想とかけ離れてるんでしょうね。
ー自分の思ってる外見の理想?
はい。
ーじゃあ理想を具体的にあげるとどんな感じですか?
ちっちゃくて、とりあえずちっちゃくて、
ー身長がちっちゃい?
身長が。で、華奢で。自分の正反対が理想になってくるんですよね。薄ーい人が好きです。
ー薄い人? 細いってことですか?
顔が濃い、薄い、の、薄ーい人が好きです(笑)。
ーちなみに、山田さんの身長はどれくらいなんですか?
168cmぐらいあるんですよ。
ーすごい。羨ましい!
ちっちゃいほうがいいですね〜(笑)。
ー 一方、好きなところは中身。具体的にあげるとさっきのマイペースっていうところとか?
はい。そうですね。マイペースなところ、いい意味でも悪い意味でもあるんですけど。
ーそれ以外に好きな部分はありますか?
ないかな(笑)。
ーじゃあ自分のペースを自分で守れるていうところが最大のポイント。
そうですね。なんかすいません(笑)。
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「『自分がずっと同じ状態でいること』が一番嫌なこと」と山田さんがおっしゃったのが、印象的でした。
わたしは、おそらく「変わることが怖い」派なので、無意識に繰り返しの日々を送っているのだろうなと思います。
でも、山田さんは(すみません、次回のネタバレなんですが!→)「好きなものを1つには絞れない」というお話もされていて、確かに、好きなものがどんどん増えていったら、その分自分は変わっていくもんな、この「変わる」(同じでいない)という言葉は、とてもポジティブな「変わる」なのだ、と感じ入ってしまいました。
そんなインタビュー、次回で最終回です。次回は、アイマイナナメの「アイマイ」の部分について、と、アイマイナナメの今後について伺います。お楽しみに!
つづく
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