11.タイトロープ

これもまた美しい曲、詩的な曲である。泣いちゃう。

あまりに美しいものに出会うと、その脆さ、非現実さ、醜悪な自分とのギャップから悲しみが湧いてくる。
大切にしようと言ってきた想いさえも、利き手でそっとこねくり回すうちに、原型がわからないものにすり替わってしまう、その不確かさが沁みる。
それでも、泣いたとしても、そういうものを全部集めて、自暴自棄にならず、「心でピースを探して」(「桜草」より)、無意味だなんて無下にしないで。

テロや他人との比較、夢や自意識への疑い、色々な要因で何もかもわからなくなった状態。ゼロからの再スタート。11曲かけてアジカンが出した答えは再確認だったのだ。そうだね。

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