組織・環境・人を貶める

|部長に対する批判|
 飲みの席で部長が係長へのバッシングを行なった。子会社の役員も同調した。その場には転勤間もない若手社員が居た。

 私はその状況をアンフェアだと思った。係長は若手社員にとっては上司。若手社員は赴任してまだ1ヶ月強なのでその上司がどういう人かまだ判断がつかない状態。部長からの悪評は係長に対する認識にネガティブな情報を与える。係長に対する信頼を傷つける可能性がある。仮に係長を尊敬していたとしても覆してしまう可能性さえある。係長の努力によって少しづつ積み上げられた若手社員との信頼関係があったとして、それを崩すような行為を部長という役職者が行なった。そして係長が上層から評価されていないことが事実として提示されてしまった。

 係長の仕事を行いにくくしてしまうような発言を、経営に関わるポジションの人間が行えば、自分の組織の力を減退させる。部長の仕事ぶりは私はほとんど分からないが、私見では部長はポジションと人格のつり合いが取れていると見ていて基本的には肯定的に評価している。細かい点で評価できないことはあるにしても。ただしこの件は非難すべき内容の行為だった。

「彼にも良いところはあるはずだが俺には全く見当たらない」と部長は言った。私は、私が考える係長の良い点を言いだそうか迷って結局言えなかった。仮に発言したとして、部長と、同調した子会社の部長に受け止ってもらえるか不安に思った。部長は係長とは普段離れた場所に居るので見えにくいとは思うが、その発言からは、見ようとしていないのではないかという印象を持った。

私は後日でもいいので、同席した先輩とその若手社員に、上記の内容を話したい。不公平に納得がいかない。そして所長にも報告したい。私は係長に対しては基本的には否定的な評価を持っている。優れた能力のいくつかを評価しているが、管理職としては不向きだと感じている。また同じ空間で仕事をする人間としても、集中力や意欲を阻害する行為が多く一緒に働きたくはない。それでも、今回の件については係長に対してフェアではないというか貶める行為が過ぎると感じた。


|係長に対する批判|

 基本的に他人を見下している。今日係長は「連絡する相手は基本的に馬鹿だと思っているので、馬鹿でもわかる内容にしなければいけない」という発言をした。後輩に指導する際にそう言った。係長に通底するそうした価値観は私には相容れない。人を尊重できない人間が人の上に立つべきではない。結果として想像されるのは、支配的な組織運営だから。そしてそれを聞いた部下達は、心理的に安心できる環境ではないと暗に感じたかもしれない。ステークホルダーキャピタリズムという考えにはほど遠い。若い社員からしたらどんな組織に見えるだろうか。私は時代遅れ感にがっかりしている。おじさんのモラル教育が組織にとって必要ではないか。そんな組織には魅力的な人は残らないし組織も生き残れないと思う。

私はこのことについて、先輩や同席していた若手社員に話したい。私がどう考えているのかを。そして所長にも話すつもりでいる。

上司や上層への批判はフェアだと私は考える。自分より立場が下の人間の批判は第三者に言うことはアンフェアだと思う。




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