父が死んだら。弟と死に場所を探す旅に行くよ。

 私は生きる動力源であった“やりたい事”をやり切った。この満足感を抱えたいから新しい大きな“やりたい事”を探す気は無い。
 今日は頑張ったから自分へのご褒美だー何て、小さな目標で、何をするにしても、生きているだけでお金がかかるこの世で、生きようと思えなかった。安上がりにはなれなかった。私はプラスの感情の果てに何も望めず故に死を望んだ。

 対して弟は将来に不安しか感じなかった。社会は今を保証せず。安い賃金の幾らかを想像もできない定年退職した自分のために払わされ続けて世の中が嫌になっていた。
 障害を抱えるが故に自分に可能性を見出せず目標を持たなかった。そんな弟は絶望の果てに自殺を望んだ。

 プラスの感情の果てに死ぬつもりの私は弟に「旅をしよう。誰を気にするわけでも無く好きなものを食べて、やりたかった事をして、絶景を見て気に入ったところで死のう」と言った。
 絶望の中で死を望む弟が、家族大好きっ子な兄ちゃんは不憫に思ったんだ。

 私自身、孤独は構わない。それを気にしないくらい満たされている。私は昔に思い描いて、友人にも言われた通り、笑って死ぬだろう。
 けれどね弟よ。君にも死ぬ時は笑っていて欲しんだ。だから孤独には刺せない。いい事なんて何一つなかった何て想いで死なせない。死ぬ前にした旅は楽しかったって話して笑いながら死のう。
 
 あっ父が死んだらだよ。子供の面倒は生きてる間は見てやらないとなんて言って頑張り続けた父が死んだらだ。
 私がそばにいて父が寂しい思いをせず。定命を全うしたら。
 その時は旅に出かけよう。

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