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経営における矛盾を両立するパラダイム 自己信頼編

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「意識のマネジメント」に着目をして、変化に適応して矛盾を両立する経営やリーダーシップのあり方を論考するマガジンです。経営リーダー、管理職の方はもちろんのこと、管理職ではない方にと…
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#リーダーシップ

なぜいま、自己信頼が重要か?

みなさんは、「あなたについて説明してください」と言われたら、どのように答えますか? まず、年齢や出身地や家族構成など、自分の属性について答える人が多いかもしれません。また、働いている会社や肩書きといった、所属するコミュニティについて答える人もいるでしょう。これまでやってきたことを紹介する人もいれば、性格について伝える人もいるかもしれません。 これらはどれも、間違いではありません。 一方で、様々な特徴を言葉で表したところで、自分を説明したことになるでしょうか? それらは、

自己信頼とは何か?

前回の記事では、個人と組織の関係が変わりつつある中、自己信頼の重要性が高まっているという話をしました。私自身、自己信頼が弱いことに気づき、どのようにすれば自己信頼を持つことができるのかを模索するようになった経緯もご紹介しました。 自己信頼とは何でしょうか?文字通り、自分を信頼することではありますが、自分を信頼している状態と、信頼していない状態の違いは何か?自己信頼と自己信用との違いは何かと考えると、よくわからなくなったりします。この記事では、自己信頼とは何かについてお話しし

自分への信頼は、どのように生み出せるか?

前回の記事では、自己信頼とは自分を無条件で信じることであり、それは「ありのままの自分を捉える」という自己一致の積み重ねによって培われるということをお話ししました。 今回は、自己信頼を生み出すメカニズムについて3+1意識モデルを活用して説明したいと思います。 3つの意識の全てにおいて「ありのままの自分」を捉える「ありのままの自分を捉える」上でポイントになるのが、意識の意識化です。ここでも、何回か登場している3+1意識モデルが役に立ちます。 3+1意識モデルでは、特定の意識

自己信頼と自己信用は何が違うか?

前回の記事では、メタ意識から直感・思考・身体意識をありのままに捉えるということが大切であり、それを自己一致と呼ぶこと、そして、自己信頼とは、いつでも「自己一致」できることによって生まれてくる、自分を無条件で信じる状態であることをお話ししました。 これまで、自己信頼とは何かについてお話しをしてきましたが、今回の記事では、自己信頼とは何ではないのか、についてお話しすることによって、自己信頼についてさらに深くお伝えしたいと思います。 「信頼」と「信用」の違い信頼と信用という言葉

自己信頼とは何ではないのか?

前回の記事では、自己信頼は無条件に自分を信じることであり、条件付きで自分を信じる自己信用とは異なることをお話ししました。また、条件付きの「自己信用」ばかり積み重なると、かえって自分を見失いやすいということもお伝えしました。 今回の記事では、自己信頼とは何ではないのか?について引き続きお話しすることによって、自己信頼についてさらに深くお伝えしていきます。 自己信頼は、自己効力感とは異なる自己信頼と似て非なるものとして、自己効力感(Self-Efficacy)があります。自己

自己信頼は、他者信頼を生み出す

前回の記事では、自己信頼とは何ではないのかについてお話しすることにより、自己信頼について立体的な理解を深めました。 今回の記事では、自己信頼の1つの重要な側面である「他者信頼」についてお話しします。他者信頼は、自己信頼とは一見異なるものですが、実は他者信頼と自己信頼は密接に結びついています。 自己信頼できると、相手を見る目も変わる自己信頼には一つの重要な側面があります。それは、自分を無条件に信じられると、他者も無条件に信じられることです。逆に、自分を条件付きでしか信じられ

自己信頼が、人との関係性に与える影響とは?

前回の記事では、自己信頼は他者信頼を生み出すこと、そして自己信頼と他者信頼があることによって課題を直視できたり、主体的真理をぶつけ合って創造的な活動につなげることができたりすることをお話ししました。 今回の記事では、自己信頼と他者信頼があることによって、人との関係性がどのように変わるのかについてお話しします。 信頼があると、縦の関係ではなく横の関係となる自己信頼と他者信頼があると、人との関係性の質感が変わります。それは、「縦の関係」ではなく、「横の関係」になるということで

リーダーの自己信頼が、チームに心理的安全性をもらたす

前回の記事では、自己信頼が、人との「横の関係性」を育み、自分は自分らしく、他者もその人らしくいられるようになるということをお話ししました。 今回の記事では、リーダーの自己信頼がチームに心理的安全性をもたらすということについてお話しします。 心理的安全性とは何か心理的安全性という概念は、Google社が社内プロジェクトにおいて「効果的なチームの条件とは何か」という問いに対して探求した答えとして、紹介されたことで日本においても知られるようになりました。 Google社のリサ

自己信頼は、後天的に獲得できるのか?

前回の記事では、リーダーの自己信頼がチームの心理的安全性を生み出すと言うことについてお話ししました。自己信頼をテーマとした章も、大詰めです。今回の記事では、この章の最後のテーマとして、自己信頼は恵まれた人だけのものなのか、誰であっても獲得可能なものなのかについてお話し致します。 「自己信頼」は、恵まれた人だけのもの?以前の記事で、友人のKさんや社員のNさんとのやりとりの中で、私自身が「自己信用」は高くても「自己信頼」は低いことに気付かされたというお話しをしました。 そのと