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鍼灸師の仕事内容(はり師きゅう師の仕事内容)

鍼灸師(はり師きゅう師)は、鍼と灸を用いた施術を行い、体の不調の予防や改善を目指すことが主な仕事内容です。鍼や灸を用いた施術は東洋医学に基づくもので、人間が本来持っている自然治癒力を高める効果があります。副作用が少ないため、乳幼児、高齢者及び妊婦の方も施術を受けることが可能です。鍼灸師(はり師きゅう師)が行う鍼灸治療では、肩こりや神経痛を和らげたり、自律神経やホルモンバランスを調整したり等、あらゆる症状に効果が期待できます。鍼灸治療は、免疫力や回復力等の自然治癒力を高め、身体の不調や病気等を防ぐことを目的としています。これは、不調そのものの原因や症状を取り除くだけでなく、病気の予防や健康の増進にも役立ちます。また、原因の特定できない身体のだるさや慢性的な生活習慣病等に対しての効果が望めることもメリットの一つとなっています。免疫力や回復力を高めることができる鍼灸治療は、体の健康を維持する予防医学としての役割を果たすこともできます。

鍼治療
鍼治療は、はり師の資格のもと行うもので、鍼を用いて治療を施していきます。方法としては、ステンレス製の極めて細い鍼を経穴や各種反応点に刺し入れ、微細な刺激を与えることによって、凝りや神経痛等の症状の改善や血行の促進等を図ります。経穴とはいわゆるツボのことで、はり師は人体の各所にあるツボの位置を把握して施術を行います。鍼治療の方法には、鍼を短時間だけ刺してすぐに抜く方法や鍼にわずかな電流を流して行う方法等、同じ鍼治療でも患者さんの症状によって様々な方法を駆使しています。

灸治療
灸治療は、きゅう師の資格のもと行うもので、ヨモギの葉でつくられた「もぐさ」を用いて治療を施していきます。もぐさを点火して燃焼させることで、経穴に熱による刺激を与えます。血行が改善されることによって、免疫力の向上を望むことができます。肌に直接もぐさを乗せて燃焼させる「直接灸」と、生姜やにんにく等をかませて燃焼させる「間接灸」があります。

脈診
鍼灸師(はり師きゅう師)は、手首の脈を診る脈診も行います。一般的な病院等で行われる西洋医学においては、医師が患者さんの脈拍を調べるために脈診を行いますが、鍼灸治療においての脈診は患者さんの身体の気の流れやバランスを診るために行われます。

望診
患者さんの目に見える部分から身体の状態を判断する望診も行います。これは、現代医学では視診ともいい、患者さんの表情、血色、皮膚の状態及び舌の状態等を目で見て、状態を判断していきます。動作や体つき等も併せて診ることによって、より詳しい症状も分かります。

美容鍼灸
顔面のシワやたるみの緩和または改善、リフトアップや豊胸等の美をケアすることが美容鍼灸です。また、ダイエット等の体質改善にも効果を発揮します。最近では、男性向けの育毛鍼灸等の施術も注目を浴びている分野です。

婦人鍼灸
不妊症、生理不順、冷え性、更年期障害及びつわり等、女性特有の身体の悩みに対して、鍼や灸でツボを刺激し痛みの緩和及び症状の回復に努めます。患者さんの自然治癒力を高め、症状に合わせてじっくりと治します。

スポーツ鍼灸
東洋医学としての鍼灸治療をスポーツの分野の中に取り入れ、怪我の予防やスポーツパフォーマンスのアップ及びコンディショニング等に効果があります。スポーツ医科学に関する広い知識と高い技術が必要ですが、卒業後はスポーツトレーナーとしての活躍も期待されます。

高齢者鍼灸
年齢に伴う機能低下による関節の痛み、倦怠感、認知症及び循環器系疾患等、高齢者が抱える身体の悩みに対して、鍼や灸を使いやさしくケアを行います。近年は、認知症の効果に対する研究も進んでおり、これからの超高齢社会の中で更なる活躍が期待される分野です。

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