白とピンクの星
galaxy20,000yearslater series
第一弾
ファウンデーションの夢
第四部
ベイタ・ダレル
第6話
エピソード 39 白とピンクの星
ベイタ・ダレルは、降り立った惑星ヘイブンの不思議な風景に目を奪われていた。白とピンクに染まる空、透き通るような穏やかな海が広がり、その幻想的な美しさは銀河系の他の星々とはまったく異なる。だが、彼女がこの星に来たのは単なる観光ではない。彼女の胸には、第二ファウンデーションとそれ以上の秘密が秘められている。
「ベイタ、よく来たね。」ランデュ・ダレルは彼女に笑顔を向けた。「ここが白とピンクの星、ヘイブンだ。だが、驚いたよ。君がシーウィーの娘だったとはね!シーウィーとはデヴァースの貿易商人仲間で、何度も喧嘩したものだ。トランは賢い嫁を見つけたようだが、君は美しいだけでなく聡明だね。正直、トランには勿体ない。」
ベイタは微笑んだが、その表情には決意が滲んでいた。「叔父さん、実は第二ファウンデーションのことを調べているんです。そして、もしかすると第三ファウンデーションも存在するかもしれないって。」
ランデュは彼女の首元のペンダントに目を留め、軽く顎をしゃくった。「そのペンダント、何か意味があるのか?」
ベイタはペンダントを握りしめ、軽く頷いた。「そうなんです。この中の液体は、母から結婚祝いとしてもらったものです。紫色の液体が半分だけ入っているシリンダー。母は何も言わなかったけれど、私はこれがファウンデーションの成り立ちに関係しているのではないかと思っています。」
彼女は少し言葉を切ってから続けた。「私のご先祖、ガール・ドーニックの記録にも、はっきりとは書かれていなかったけれど、次の時間霊廟の開示には何か大きな意味があるのではないかと。もしかしたら、セルダンはすべてを計画していたのかもしれません。そして、第三のファウンデーションがあるとしたら、その真実を解き明かす必要があるんです。この銀河は謎に満ちていて、それを解き明かすのは私たちの使命だと思っています。」
ランデュはゆっくりと頷いた。「その時が来たら、わしもターミナスに行くつもりでおる。今の銀河帝国の凋落ぶりを見れば、ファウンデーションですら、おかしくなってしまった。世襲制のインドバー市長だなんて、馬鹿げている。ターミナスが銀河帝国に取って代わるだなんて、夢物語だ。」
彼は一息ついて、ベイタに目を向けた。「ところで、ヘイブンで少し休んだら、トランと一緒に新婚旅行にカルガンに行ってみたらどうだ?あの星は亜熱帯の楽園で、観光も楽しめる。それに...」
ベイタはランデュの言葉に興味を引かれた。「それに?」
「そこには、ミュールがいる。」
「ミュール?」ベイタは驚きの声を上げた。「動物園に?」
ランデュは微笑みを浮かべながら、曖昧に肩をすくめた。「それはどうだろうな。」
次話につづく...
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