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120.人生何十年?

 人間五十年、
 下天の内をくらぶれば、
 夢幻の如くなり。
 一度生を得て、
 滅せぬ者のあるべきか。
  我が国に住む男のふたりにひとりは好きな「敦盛」の一節、というよりは信長が深く愛した人生観がこれです。兎に角、我が国の歴史上一等天真爛漫なる革命児で、他の誰もが模倣出来ない人生だったからこそ、うらやみの眼で見られるのでしょうか。
  生涯殆ど大きな組織に縛られることな く、しかも生来反骨心の強い人間ゆえ、アホみたいにこの一節を信じて生きている私です。最近では、「ロクでもない我の強い爺さん」と呼ばれていようとも、です。そして、
 Doing the garden,  庭いぢりはするし、
 digging the weeds,  草取りもする
 who could ask for more?  これ以上に何がお望みだい。
 Will you still need me?  ずっと僕を必要として呉れるかい、
 will you still feed me?  ずっと食事を作って呉れるかい、
 when I’m sixty-four?  いつか僕が64才になった時も。
これは今から丁度50年前に書かれたポール・マッカートニーの詩の一節。幸若舞「敦盛」とビートルズの曲を並列的に扱うと何やら言われそうでも、全く気にしません。
  かつて、Bob Dylanも大好きで、今でも時折カラオケで、“Don’t think twice, it’s all right!”やら”Just like a woman”なんかを歌っていて、妙に実感があるから不思議です。
  先日、秘かに敬愛していた日野厚先生が亡くなって深く思ったことは、人間の寿命が格段に長くなったということです。もしかしたら、自分もこのまま溌剌と生きれば百歳も夢ではない、と思っていたら眼前のTVが「40数年増え続け、現在百歳以上の日本人の人口は67,000名余りです」のニュース。「よし、俺もあと30年生きるぞ」と大声で告げたら、横に居た雅美が、「せいぜい90歳くらいにして呉れない?」と笑いました。
  どちらにしても「敦盛」も「when I’m sixty-four」も「人間九十年・・・」、「when I’mninety-two」くらいに歌い替えることにしました。そのように人生プランを組み替えることに。

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