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ヘンな友達の話 ( 3 ) 『悪魔の舌 ( 三 ) 』 村山槐多 (むらやまかいた)

村山槐多 ( むらやま かいた ) 1896年〈明治29年〉9月15日 - 1919年〈大正8年〉2月20日


村山槐多の怪奇小説

悪魔の舌
前回の ( ニ ) に続いて ( 三 ) です。アイツはすごい変だと思っている友人、金子からの電報をうけて会いに行ってみると、なんと死んでいた。
しかも、自殺という。そんなこといっても、さっき電報を打ってきてんだから、さっきまでは生きていたはずで … なんだっちゅうねん?とは、考えずに、推理が始まります。「三〇一 …??」

何の遺書もなかつた。が自分にはさつきの電報が一層不思議になつた。時刻から考へると金子はあの電報を打つて帰るとすぐ死んだ物らしい。自分はそつとまた九段坂の上へとつてかへして考えた。電報の三〇一と云ふ数字は何を意味するのであらう。九段坂の何処にそんな数字が存在して居るのであらう。見廻して見るに何もない。ふと気が付いた。九段坂の面積中で三百以上の数字を有つて居る物は一つしかない。それは坂の両側上下に着いた溝の石蓋である。そして始め上から見て右手の方の石蓋を下へ向つて数へ始めた。

悪魔の舌 ( ニ ) 村山槐多 より

「これだ」
見つけた油紙に包まれたブラックノート
ダイイングメッセージな黒い文章を読んで、キター。
「あいつは、悪魔だったのかーッ!!」
というところまでが ( ニ )  でした。そのブラックノートに書かれたものとは … というのが今回の ( 三 ) です。

変なやつやと思ったら、あいつ悪魔やったんやな … と読者にそのブラックノート( 手紙 ) を読むはなしです。

きくよむ文学

悪魔の舌  ( 三 ) 
村山槐多 ( むらやまかいた )

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