お値引き

noteを始める前、長文で発信したいことはFackbookにあげていました。
Facebookは時折「過去の投稿を振り返ろう!」みたいに出てきます。
それを見ていて、「ああ、懐かしい」と思えた長文投稿をこちらで再掲します。

2015年12月2日の投稿です。
気持ちは今も同じです。
ではどうぞ。


とある会社さんへのメール。
中古機材屋さん(同業者)宛てです。
伏字があります。
********************************************************************」
お世話になります。ビビッドの中川です。
XXXXXXXの写真をサンプルで送ります。
価格ですが、90万円を65万円にするのは厳しいです。
しかしあと今日を含めて3日で決めて頂けるのでしたらとても65万円にはできませんが再検討することは可能です。
4日金曜日の内にお振込頂いた場合の特別価格としてです。5日以降はまた90万円に戻ります。
エンドユーザー様がコストを重要視されるのは重々承知しておりますが、理由なしで28%もお値引はできません。
こちらが提示している金額は仕入れ金額に、仕入れに掛った経費を乗せ、その上で最低でもこれくらいは会社に利益を残したい、と思って決めた所の金額を先に提示しています。
本来ならば、弊社が提示する金額は最終金額に近いものです。お値引というのは会社の利益、ひいては私の収入を減らしての対応という事になります。
そこを、最初から値引く事を前提の取引スタイルにしてしまうと、こちらは今後XXXXXXXX様に価格提示するときに「いつも値切られるから最初からもっと高い値段で提示しよう」という方針になってしまい、御社にとってもビジネス上のメリットが無くなります。
これからも長くお付き合いをしていく中ではこちらの提示した金額を元に進めて頂き、どうしても金額の相談が必要な場合はこちらにもメリットがあるようなご提示を頂きたいと思います。
こちらのメリットと言いますと、中古屋さんでしたら皆さん同じでしょうけど、いかに早く商品をさばけるか?だと思います。在庫期間を少なくできるのでしたら、少しでもお値段で頑張りたいと思います。
今回も3日という短い期間ですが多少のお値引に対応致します。
弊社はこのようなスタンスで運営しています。こういうスタイルでないと中古機材の販売業を維持できないくらい中古機材業界の現況は厳しいものと判断しております。
本来はお値引よりもサービス力によってお客様のご支持を頂きたい所ですが、多様なお客様がいらっしゃる中では、お値引についてこのような方針でおりますので、ご理解ご協力のほどよろしくお願いします。
中川
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というメールです。
お値引は大事だと思います。でもそれはあくまで、「エンドユーザーさんにとって」だと思っています。
お値引交渉が好きな方もいらっしゃいますし、それでいいと思います。私もいらして頂いたお客さんと笑ってお話しながら、「じゃあ、こうしてみましょう」と提案しつつお値段の調整をしていくのは楽しい作業でもあります。
しかし「業販」は違います。価格一本、一発勝負でやらないと信用を築けません。
エンドユーザーさんとどういう交渉をされているか存じ上げませんがこの件でも90万で弊社が提示したものを、たとえば既に100万でお客さんに提示してOKを貰っているのに、弊社に対しさらに値引いてほしい、と交渉しているのかもしれません。
自社の利益を増やすための行為ですから、ビジネスとして正常な交渉かもしれませんが、このやり方を「良し」とするかどうかは、判断がそれぞれだと思います。
弊社でも当然業販で機材を仕入れたりします。
私は私のスタンスがあるので、理由のない値引交渉はしません。チェックしなくていい、不調箇所はそのままで良い、送料は持つ、ついでにアレもコレも購入する、など、相手にとってもメリットのあるように提案しつつ、最終金額での微調整をお願いすることはあります。
しかし何もなく28%もお値引して!という事は絶対しません。されたくもないですから。
また、「エンドユーザーさんの要望があって初めて仕入れる」という、在庫を持たないスタイルは効率的で素晴らしい方針だと思いますが、リスクを負わない経営手法であれば、その分コストで不利になるという事も理解してもらいたいと思います。
従前から営業されている大手の中古機材屋さんも、比較的若い弊社も同じですが、まずは仕入れて在庫を持っています。もちろん、リクエストがある機材は積極的に仕入れますが、そうでない機材、つまり「売れるかどうかわからない機材」も値段を付けて仕入れています。時には廃棄しないとやっていけない、そんなロスの多い世界ですが、費用を掛けて営業している所から、理由なしに安価にモノが仕入れられるはずはない、と分かってもらいたいと思います。
中継車も同じです。仕入れ元のTV局さんやプロダクションさん、仕入れ後の作業をして頂ける下請け業者さん、共に費用の提示がありますが、値引要求をしたことはありません。中継車を全塗装したいという要望があり、下請け塗装業者さんに見積もりを依頼する。出てきた見積もりに対し、値引け、という事をした事がありません。それは下請けさんを大事にしたいと思っているからです。ビジネスは所詮「人」がやる事です。中川さんの仕事なら頑張ろう!と思って頂ける仲間、ワールドを増やしていきたいと思います。
値引ばかり要求するところの仕事は請けたくなくなるでしょうし、そうすると最初から金額を載せてくるかもしれません。正当で正常なビジネス活動を維持するためにも、業販において無茶振りはしないのが健全だと思っていますし、そうやって14年以上営業しています。
もちろん、支払が健全であることも最重要テーマの1つです。
支払が遅れる、連絡がない、これは最悪だと思います。
弊社では支払を遅らせた事もないですし、一応支払サイトとしては末締めの翌末払いですが、支払先については極力請求書が来た時点で支払っています。ニコニコ現金払い、いい言葉ですね。
私が創業した14年ほど前、まだまだ力もなく、カメラマンとして使って下さるのはありがたいものの、半年支払を待たされたりするのがザラでした。さすが田舎です。丸1日働いて1万とか、良くて1.5万円とか、金額もビックリですが。
創業当時、DSR-500WSとDSR-20、EDIUSのノンリニアだけでスタートした会社ですが、そんな機材でも月に5~6万のローンがあります。そのローンを支払うのは止められません。しかし10万、20万という金額が半年(最終的に40万とか)止められちゃうのです。
あっちの銀行の口座、こっちの銀行の口座、いろんな所からかき集めてやっと支払ったりして。今はいい思い出です。
そういう事をしている会社もあるんです。結局その会社は裏で脱税をしていて税務署にバレて相当の追徴金を払う羽目になり、一旦は潰れかけたようです。
以前外注さんから「ナカガワさん、そんなに早く払わなくてもいいよ」と有難い言葉を頂いた事もあります。
翌翌末くらいが当たり前の業界だそうですが、いや、それじゃああまりにも申し訳ないと思います。
特に支払先(協力してくれた方)が個人のフリーの方でしたらなおさらです。
今日12月2日に働いてもらったお金が12月末に請求書出して、2月末に振り込まれる・・・
切なすぎますね。入ってきたお金をどう運用するかはその人のスタンスですけど、早く入ってきて困る事はないと思います。
最近特にそういう事が多くなってきたので、ちょっと書いてみました。


という内容です。
とにかく決断力があって、すぐに支払いがある、そんなスピード感のあるビジネスが成長に大事だと思います。
これからも弊社は「仲間」を大切にして、成長の道を歩んでいきたいと思います。

お気に召して頂けましたら、サポート頂けますと、やる気モリモリになります!よろしくお願い致します。