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「あのね、8月はね、31回あるんだよ、ゆっくりたのしみなさいな!」

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20歳の年、2020年、なにも起こらないと思っていました、何もかもコロナ、ライブも出来なければ家族にも会えない、ぜんめつの年

わたし一生わすれないかもしれません、このぜんめつの年、滅、めつ

絵本みたいな人がわたしの恋人になってしまったよ

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「8月ももう終わりってことは、すぐに9月が来るでしょう?9月って気分的には秋だし、10月も秒で来るんだろうし、実質一年の締めくくりに入ってるのでは?」

時間の捉え方はひとそれぞれ、時間の伸び縮みもひとそれぞれ、わたしの夏の捉え方は、こんなもん 夏が来るなら、秋も来る、留まることは無いし、ながれるもの

彼にあんなふうに言われたとき、あれ 8月って31回もあるのか、31、無限のようだな とおもった 31、15でやっと折り返し、

夏、なげーじゃん

「うん、長いの。そんでもってやっと8月がおわったと思ったら、つぎは9月だよ!9月は何回あるんだろう?」

「9月は30かいだよ、ゆっくり楽しみなさいな、」

ゆっくり楽しみなさいな、って言葉はゆったりしててよい、口に出すと気分がよい、時間の流れがゆるやかな言葉、わたしの恋人のなまえも流れがゆるやか、わたしの恋人はすべてがゆるやか、彼は何事もいそがない


30回の9月も終わりに近付いている、つぎは31回の10月、ふたりでやりたいことは無限にある、
まずは公園でお月見、おわんにぜんざいをよそって夜に家を抜け出して、ふたりでゆっくり食べるんよ ひひひ


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