vol.9 鎌田菜月の分散と成長
MIMIGURI代表CoーCEO/東京大学大学院情報学環特任助教授の安斎勇気さんが書いた「問いのデザイン:創造的対話のファシリテーション」の最新作、「リサーチ・ドリブン・イノベーション 『問い』を起点にイノベーションする」と「情報の海に溺れないための航海術」どちらも面白いです。
驚くほど、雑に説明すると、ピーター・ドラッガーのが提唱した「選択と集中」が長年支持されてきましたが、2020年の新型コロナウイルスの蔓延による社会変化は、本当にそれが正しいのか、と見直すきっかけになりました。
たとえば、「サクセス・トラップ」という同じやり方を繰り返し、新しいやり方を試さなくなると、外的な大きな変化が起こった時に、使える方法が限られていると苦しくなると分析しています。
安斎さんは、レヴィ=ストロースの「野生の思考」に出て来る「プリコラージュ」という考えで出てきた「修繕」という言葉を例に出します。
大きな目標に基づいて計画を立てるのではなく、そこにあった道具を使って様々な方法を試して生きているアマゾンの先住民の考えかたこそ、創造的な活動と相性が良いのではと分析します。
これを学問にあてはめると、「明らかにしたい問い」を設定して、それを起点に資源を分散して投資し、得られた洞察を手掛かりに問いを「修繕」していくというやり方です。これは研究職の方ならあるあるかも知れませんが、洞察を繰り返していくうちに、新しい「問い」が生まれたり、「問い」の設定を見直したりということがあります。
そして、これを実践していくために、T字型にアイデンティティを言語化していく方法を紹介します。一つの専門領域をI字型に深掘りするスペシャリストタイプではなく、異領域の知見にも精通し、横の幅を持ったT字型ですね。
企業で言うと、「Soup Stock Tokyo」というスープ専門店が、ネクタイ専門店の「giraffe」やセレクトリサイクルショップの「PASS THE BATON」など、幅広く新規事業を展開していますが、「世の中の体温をあげる」というコンセプトがあるからで、「世界一のスープ店にする」というコンセプトではないから、成功したという例を挙げています。
全く違う2つのタスクを組み合わせることで、思いもよらぬ「結合」を生み、イノベーションににつながります。
まずは、間に合わせの「問い」でもいいので設定して、それを探求しながら、どんどん「問い」を修繕していき、考える自分も磨いていけるわけですね。
僕は、ふと、SKE48の鎌田菜月さんのことを思い出しました。
試しに皆さん、Googleで鎌田菜月で検索してみてください。
どんな言葉が出て来るでしょう?
「将棋」、「藤井聡太」、「競馬」、「大学」、「棋力」など様々な言葉が並びます。
鎌田さんの趣味や仕事の広さは、本当に広くてですね。
歴史や城めぐり、二次元関係、将棋や競馬、水泳、剣道や弓道、マラソン、とこの人のT字はどこまで広がっていくんだ、と書きながら思います。
更に、2020年には朗読劇も経験します。
これまでのインプットが役者としてのアウトプットに活きていくのではないでしょうか。2021年6月5日の「オールナイトニッポン0~エンタメナイト~」のweb小説を読み漁り、この人はデビュー前から知っているぞ、となることを挙げていましたが、この人の知的好奇心はどこまで広がっていくんだと、思いましたよ(出版社に注目している話も)。ちなみに、その前の放送では、「リトルトゥース」だということを語っていましたが、この番組との相性はめちゃくちゃ良いんじゃないでしょうか?
ちなみに、「シン・エヴァ」についての感想もネタバレしないように、でも、自分の思いを綴っているのが凄く良かったです。
個人的には、彼女の「閃光のハサウェイ」評を聞いてみたいですね。
ううむ、広がり続ける鎌田さんの守備範囲。
髪型やメイクも変わり続けています。
さてさて、なんでこんなに鎌田さんのT字型の広がりを見てきたかというと、実はあるメンバーの言葉がきっかけでしてね。
先月、鎌田さんの生誕祭の手紙についての記事、「君がみていてくれた」を書いたんですが、意図的に省いた年の手紙があります。それが、2017年の生誕祭、大矢真那からの手紙です。
その一部を抜粋すると、「かまちょは、かなり前から松井玲奈に似ていると私は思っています。二次元オタク的なところ。陰か陽か聞かれたら陰なところ。少しあざとそうなところ。朝が苦手なところ。ビジネス上手なところ。たまに人をイラっとさせるところ。少し違うのはかまちょの方がお友達が多そうなところかな」という印象的な文章です。
最初読んだ時は、ちょっと短絡的な結び付けじゃないかな、と思っていたんですが、よく考えると、松井玲奈もT字型の才能だと思うんですよね。女優、歌手、文筆歌、youtuver、アニメヲタク、と手広く才能を広げています。個人的に、この人なら純文学の作家としても、充分通用するのではと思っています。
そんな才能の広がりの可能性を真那は、2017年の時点から感じていたのかもしれません。
ううむ、玲奈ひょんの才能の広がり方からすると、鎌田さんもyoutube配信や文筆業でも活躍できるのでは、と思いますね。勿論、将棋や競馬仕事もどんどん広がって行ってほしいです。そうしながら、アイドルとしての彼女の魅力もどんどん上がっていきますし、卒業後も様々な場で活躍していくことになるのでは、と思います。そして、推していて退屈しないのは、これからも変わらないのではと思います。
さて、実はこのブログの月イチ鎌田さん連載も、元々は「鎌田菜月が苦手でなんなら6期生アンチだった」僕が、「鎌田菜月というアイドルの何が良いのか」という雑な問いからスタートしました。
毎月、彼女のことを様々なワードを手掛かりに調べ、タスクを分散投資して、得られた洞察を手掛かりに、元の「鎌田菜月というアイドルの何が良いのか」という問いに戻っていきました。
今月は、「鎌田菜月というアイドルと松井玲奈はどこが似ているのか?」という問いからスタートして、安斎勇樹さんの「リサーチ・ドリブン・イノベーション」にあたりました。来月は、どんな鎌田さんに関する問いが僕を成長させてくれるでしょう?
皆さんにとっても発見が多い連載になっているといいな、と10回目を前にして考えています。
こんな大変なご時世なので、無理をなさらずに、何か発見や心を動かしたものがあった時、良ければサポートをお願いします。励みになります。