現在採用している糸巻き方法について
リードの削り方や設定など常に色々考えておりますが、先日思いついた方法が非常に自分にマッチしていたので、シェアしたいと思います。
万人に良いという保証はありませんが、もしお時間がある時に試していただき、ご感想などいただけると幸いです。
また、記事の内容は、ある程度糸巻きについて知識をお持ちの方前提で書いております。ご了承ください。
用意するもの
チューブ、糸、舟形、定規、マンドレル、ライター、ケーンガイド(あれば)、ハサミ、カッター
手順
1.舟形の端をカッター等で落とし、10分程度、あるいは沈むくらい水に舟形を浸す。
2.ケーンガイド(無ければリードの糸、しつけ糸、輪ゴムなど)で舟形を固定する。
3.糸掛けなどに糸をくくりつけ、糸の準備をする。
4.マンドレルを焼き、固定した舟形を差しこむ。
5.焼いた部分に糸を一周回し(端を落とした部分と表皮の境目から2~3ミリ上くらい)、引っ張る。マンドレルを手前に回してサイドが閉じるまで糸を上にあげる。
6.舟形を外して、ケーンガイドが上に行く余裕があるか確認し、余裕があるなら上にあげ固定する。
7.ケーンガイドをつけたまま、やや強めに糸巻きをする(糸巻き中ケーンガイドが緩んだら取る)。この際普段の糸巻き全長が74mmであるなら、74.5mmで巻く。コルクぎりぎりまで巻く必要はなく、材の上までで十分。(ページ上部写真参照)
8.その状態で1日以上乾燥させる。
9.完全に乾燥したら糸を切ってほどく。
10.舟形をケーンガイドで固定し、普段の糸巻き全長が74mmであるなら、73.5mmで糸を巻く。この際、上部はしっかりめに普通に巻く(ここでもケーンガイドが緩んだら取る)。折り返して数巻きはしっかりめをキープするが、その後は緩く巻いて良い。(上部のしっかりめに関して、強く引っ張るとか、絞るとかそういうイメージではなく、普通にしっかり巻く、くらいのイメージ)
11.そのまま普通にリードを作る。息漏れなどがある場合糸をラッカーで塗り固めたり、フィッシュスキン等を用いる。
注意点
糸巻き全長の設定ですが、普段46mmチューブで糸巻き寸法74mmで巻く場合は、74.5mm仮止め、73.5mm糸巻き完成でいいかと思いますが、普段通りの寸法で巻きたい場合は75mm仮止め、74mm糸巻き完成でも構いません。
この方法に至った経緯と考察
以下は経緯や考察ですので、手順のみを知りたい方は読み飛ばしていただいて構いません。
糸巻きの際は、しっかり力を加えて巻くというのが基本です。息漏れ防止や表裏のズレ防止などの理由はありますが、一番の理由はチューブのテーパーに材を沿わせ、テーパーの閉じる点に向かわせる事で開きを落ち着かせる為、です。
糸巻きを始めた初心者が、やたら開きが強くなってしまう傾向がありますが、それは糸巻きが緩くなってしまい、材が浮き、閉じる点に向かわない状態になっているからです。
今までしっかり巻くのが当たり前で、緩く巻くという方法に関しては一時期試していたことはあっても、このデメリットがなかなか厳しく採用することはできませんでした。
ただ、このデメリットが無いなら、緩く巻くのがいいのではないかと常々思っていました。緩く巻けるなら、よりリードはフレキシブルに振動し、結果そんなに削らず、材に厚みを持たせても鳴るのではないかと。
というわけで、改めて緩く方法を模索しているうちにたどり着いたのが上記の方法です。
焼き入れでの型付けは、糸巻きの際に材が割れないように丸みを持たせる為と、クビレを作るのが目的になります。今回の手順はいったんクビレを作り、その後1mm短くして、クビレの上部に糸を巻く形になります。
1mm短くするということは、クビレて材が盛り上がるところとチューブの間に隙間ができますが、そこを糸で絞ることで開きが抑える方向に作用します。また、一度型をつけてから全長を1mm短くすると、その分舟形の表裏の距離が増えます。チューブ部分で材の表裏の距離が増えると、その分先端部分は自然に閉じやすくなります。
単に短く巻こうとすると、サイドの接点でのテンションが高まり、これが振動を止めたりする原因になりますが、今回はきつく巻いているわけではないので、短く巻けます。(むしろ今回の手順だと、普段の糸巻き寸法だとサイドに隙間が空くくらいになってしまったため、普段より短くしました)
今回、仮止めと完成の差を1mmで紹介しましたが、0.5mmにしたり1.5mmにしたりだとか、力のかけ具合だとかでまだまだ拡張性はあります。私もベストな設定を現在模索しております。
ちなみに全く参考にならないかと思いますが、現在使用している私の設定は、アリヨード、ガウジング54mm、ヘルトナーゲル67番、46mm匠真円チューブで、仮止め75.5mm、糸巻き74.5mmで巻いております。
お読みいただきありがとうございました。
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