なぜメリケン粉は病気に効くのか?

薬には「プラセボ効果」というものがあります。

つまり、患者さんに「これは最新のとてもよく効く医薬品です」と言ってメリケン粉を飲んでもらうと病気の症状が軽減される・・・という現象です。「病は気から」という言葉もあるように、「あ、この薬を飲めば治るんだ」「この薬はとてもよく効くと先生が言っている」と思うことによって、症状の感じ方が軽減されるのは十分にあり得ることです。

ですが、このことについて生命科学的に何が起きているかを調べた例はあまり多くありません。

米国・ミシガン大学の研究者らがうつ病患者におけるプラセボ効果のメカニズムを調べました。この研究で用いられた医薬品は選択的セロトニン再取り込み阻害薬といううつ病治療薬で、その比較対象としてプラセボ(偽薬)を患者さんに適用しました。その結果、プラセボによりμ-オピオイドシステムの活性化がもたらされ、これが抗うつ薬の効果に関連している可能性があることがわかりました。

このメカニズムは複雑ですが、いずれにしても「これは最新のうつ病薬なので、治るかも」と患者さんが考えて偽薬を服用することにより、実際にうつ病に関連するパラメータが変化し、症状が軽減されていることがわかりました。 

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