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なぜ14番人気208.6倍のテンハッピーローズを買えたのか(ヴィクトリアマイル2024)


この週はWIN5も買わず、ヴィクトリアマイルのみに全力
⑨テンハッピーローズ複勝
⑥マスクトディーヴァとの2頭軸3連複
⑨テンハッピーローズ単勝

「一体どうやったらテンハッピーローズが買えるんですか?」と、いろんな人から質問された一週間だった。

10年以上、競馬のレースの動画をテープが擦り切れるほど見続け、馬の走法やパフォーマンスを研究し続けている私からすれば、「そんな簡単に聞くなよ」というのが本音なのだが(笑)、細かいところを省けばある程度説明が出来る話ではあるので、振り返りを書いてみようと思う。

競馬仲間とのLINEを遡ってみると、土曜日の昼にはもう本命◎⑨テンハッピーローズと言い切っていた。

結論から言うと、2015年・2016年のストレイトガールの連覇から学んだ部分が大きかったと思う。

オークスでハープスターを破り、その後秋華賞・エリ女は惜敗したものの、明け4歳初戦の中山記念を勝って臨んだヌーヴォレコルトが2.2倍の1番人気に支持された2015年。

2番人気はそのエリ女で3着、毎回ものすごい脚を必ず使っていたディアデラマドレ。

ミナレットが3着に逃げ残り歴史的な高配当(3連単20,705,810円)が生まれたことで競馬ファンには強烈な印象に残っているだろうが、冷静に振り返ってみると、あの日のゴール前まで、ヌーヴォレコルトもディアデラマドレも掲示板にも届かないという結末は、到底想像出来なかった。少なくとも当時の自分には。

レースが終わったあとでなら、確かにヌーヴォレコルトもディアデラも怪しかったかも?と思えたりしてしまうものなのだが、事実、ほとんどの競馬ファンが想像もしていなかった決着になった。

勝ったのはストレイトガール。勝ち時計1:31.5。前年のヴィクトリアマイル3着馬ではあるが、前走高松宮記念で1番人気に推されたほどの(13着大敗)、完全なるスプリンターの部類だった。

2016年は前年のオークス・秋華賞の2冠牝馬ミッキークイーンと、前年のジャパンカップを勝ったショウナンパンドラの2強の様相だったが、またまたストレイトガールが圧勝した。勝ち時計1:31.5。

この2年ともに、ストレイトガールは前走を大敗した直後だったため、人気は大きく落としていたのだが、ヴィクトリアマイルの走りはデキの問題だけでは説明がつかない圧倒的な内容だった。

春の府中らしい高速決着の中、多くの有力馬が追走に苦労して脚が上がっていく中、ストレイトガールだけが脚の回転数を落とすことなくスイスイ走り抜けていく衝撃的な映像だった。

この2年の経験で、私の頭の中でのヴィクトリアマイルというレースの考え方がほぼ固まったように思う。

それは、

  • 総合力、トータルの強さはまったく関係ない特殊な戦いである

  • 11秒台前半〜中盤の速いラップが5〜6ハロン連続で続いても、楽に追走できる馬が勝つ

  • 超高速馬場の府中への適性

ということ。

なぜストレイトガールが持ったままの抜群の手応えで直線を向けるのか?
それは間違いなく、速いラップを楽に追走できる追走力(=スプリント能力)。

この追走力がない馬は、余力を削られた状態で直線を向くことになるので、上位入着は難しくなる。
たとえ中距離G1で牡馬に混じって無双していても、だ。

さて今年のヴィクトリアマイル。
例に漏れず、高速仕上がりとなった府中。
今年もオッズの上では完全に2強の様相となった。

昨年のマイルCS勝ち馬とはいえ本質的には中距離馬のナミュール。前走1800mのドバイターフを後方追走から大外追い込んでの2着。行きっぷりが悪い時に、促しながらうまく誤魔化して結果を出せるようなタイプの鞍上でもないのも言うまでもない。これは当然、非常に怪しかった。

昨年のローズS(1800m)で世界レコードを叩き出し、秋華賞ではリバティアイランドが止まって見えるほどの鬼脚を繰り出したマスクトディーヴァ。
こちらは鞍上の安心感もあって、流石に3着には来るという見立てとしたがが、東京新聞杯の6着は出遅れだけで済ませては危険な走りで、マイルだと追走がギリギリなのがよくわかる内容だった。

このレースは総合力の戦いではなく、「高速馬場ハイラップ追走力比べ」なのだから、当然今年の本命は⑨テンハッピーローズに決まった。

まさか単勝が最終オッズ200倍にまでなるとは思ってもいなかったが。

このメンバーに入ればテンは遅い方ではないはずだし、極端な後方からの競馬にはならないだろうと見ていた。想定通りテンハッピーローズは中団を確保して速いラップを楽に追走し、抜群の手応えで直線を向いてくれた。4コーナーではもう、勝ち負けは確定していた。

⑥マスクトディーヴァは⑮ドゥアイズの克駿の意地のブロックで進路を失ったが、スムーズなら⑨テンハッピーローズとも際どかっただろうと思う。むしろ最後は⑥マスクトディーヴァが差し切っていたと見る方が自然か。
単勝で帯を取った私が1番感謝すべきは克駿かもしれない。

ただマスクトディーヴァは、やはりマイルは短いだろう。
そもそもが強いので、当然この相手なら勝ち負けにはなってしまうが、本当に良さが出るのは1800〜2000m。
1800mの世界レコードホルダーであることも、リバティアイランドに迫った秋華賞がここまでのこの馬のベストパフォーマンスであることも、筋が通っている。
1600mを走るには、この馬はちょっと"脚が遅い"。


ちなみに、冒頭の馬券の画像をご覧いただければわかるが、買い方としては相当まずいことをしてしまった(涙)
買い目の通り、本命⑨テンハッピーローズ、対抗⑥マスクトディーヴァだったのに、3連単を1円も買っていないのである。

⑨→⑥→数頭
⑨→数頭→⑥

の3連単を買うだけで、幸せになれた。数百円の予算で、91万円になる。
いや、この馬券を1点1,000円は普通に買うべきだったと思うし、トータル1,000万円超えの利益を出さないといけない週だった。悔しい。

単勝200倍の本命が勝ったとは思えないほど、後味の悪い日曜の夕方だった。

競馬は予想が3割、買い方が7割
なのかもしれない・・・


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