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片思いの擬似体験

わたしは毎週silentに片思いしてた。
放送が終わると、一時間くらいテレビの前から動けず、映像と言葉を思い出しながらsilentのこと考えて涙がぽろぽろ止まらないこともあった。駅のホームで電車を待ってる間に再生して、乗りたかったはずの電車に気付かないくらい夢中になって見たりもした。何度も言葉を思い出して暖かい気持ちになったり、苦しくて切なくなったりした。これ、まるで片思いしてるときみたいでしょ。

silentはいつも展開が読めない。
片思いしてるあの子の言動に「え!そっち?」って振り回されちゃう感覚。なんだかんだその振り回されちゃうのが楽しかったりする。

最終回もそうだった。

高校生の紬と想。黒板前のやりとりかわいかったなー。「紬」ってもう一度名前を呼んでほしくて「私の何が珍しい?」と紬は何度か続ける。想は少しだけ悪い笑みをして「ちょっとこっち来て」って。きゃー!って黄色い声援を送りながら見てると、「ねえ」って悲しそうに想の膝をさする紬。おあずけくらっちゃった。ここで現在に戻ると思ってなかった…!このsilentの不意打ちが驚きつつもすごく楽しい。

「ピンポーン」って青羽家のチャイムが鳴って、ドアの向こうに湊斗が立ってるのもものすごく驚いた。
(玄関前で泣いてる想とばったり会った光が気を利かせてインターホン鳴らしたと思ってたよ…)

奈々さんが想に「これからデート」って言った後に現れる相手は春尾先生だと思っちゃった。全然読めない。(わたしだけなのかな…)でも予想外全然嫌じゃない、楽しい。「え、春尾先生じゃないんだ!!」って言いながらニヤニヤしてたもん。

すごいなーーって思った。予想外が全然不自然じゃないし、ただ飽きさせないために驚かせよう!とかじゃなくて、どれも細かく考えられてあとの展開に繋がってる。

すごい、すごいって言いながらずっと見てた。

例えばこのシーンもだいすきで。
「バスや電車で花束を抱えてる人を見るのが"幸せ"」と話していた湊斗が花束を抱える奈々とばったり出会い、「なんか話したそうにしてたので」と奈々と想の出会いを彷彿させるような会話を始める。

ここで奈々は花束を「おすそわけ」しただけでなく、湊斗が考える"幸せ"も「おすそわけ」してくれた。暖かい。優しい。主人公だけじゃない、全てのキャラクター一人一人丁寧に描かれてる。それを改めて感じて嬉しくて泣いちゃった。

それと、湊斗続きでこのシーンも大好きで。
湊斗が「二人が再会してなかったら、そしたら今頃…」って「やっぱり紬ちゃんのこと…」なんて一瞬思っちゃった。思っちゃってごめんなさい!(また予想外!)そしたら、「再会してなかったら今頃、想ともまたああやって普通に話せてなかったんだって」って湊斗はちゃんと自分の意思決断で心から幸せだと感じてる。その事実が『湊斗は当て馬などではない!』と改めて言ってくれたように感じて嬉しかった。誰かのための存在ではなく、『戸川湊斗』として存在し続けてくれた。

これは湊斗だけじゃない、奈々さんも春尾先生も律子さんも他のキャラクターも同じ。誰かのために存在してるわけじゃなくて一人の人間としてキャラクターが描かれているように感じた。だからsilentのことがどんどん好きになる。一貫して徹底して大切にしていることをそのまま守り続けているように感じた。

人で例えると、軸が通ってる人がすきで。こういうとこブレないなって、そういうのを感じるとどんどん好きになる。こんな風にどんどんsilentへの好きが日に日に増していってた。

そりゃあ片思いのようにsilentのことばかり考えるはずだなと。この作品が日々大好きになってく。

そんなことが伝えたくてnoteを書いてみました。
伝わるかなー、伝わってたらうれしいな。

最終話、紬ちゃんの「人それぞれ違う考え方があって違う生き方してきたんだから、分かり合えないことは絶対ある。他人のこと可哀想に思ったり、間違ってるって否定したくもなる。それでも一緒に居たいと思う人と一緒に居るために言葉があるんだと思う」

という台詞。この台詞を聞いたときに涙が止まらなかった。たぶん欲しかった言葉だったと思う。いつの間にかすっかり忘れてしまっていた、まっすぐ伝えることの大切さを思い出させてくれた。

ありがとう。とどうしても伝えたくて、言葉にするのは難しいからこのnoteも書くのに時間がかかっちゃったけど、でもやっぱり伝えたいことは伝えれるうちに伝えたいので書きました!どうか少しでも伝わりますように。




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