TOP10 BEST ALBUMS 2020
こんばんは。はじめまして、obakeです。
Twitterで普段お世話になっている方はご存じの通り、SwansとFUJI ROCK FESTIVALが大好きなアラサーです。
この度、気の合う友人とnoteを使用してウェブマガジン(言ってみたかっただけ)を始めることとなりました(ワーパチパチパチ)
文章の執筆を通して、音楽についてゆる~く振り返る時間が出来たら嬉しいなと思っております。
どうぞよろしくお願いいたします。
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年明け早々コロナウイルスが襲来し、息をつく間もなくここまで来てしまいました。
日常生活が大きく変わってしまった方も、沢山いらっしゃったかと思います。
誰もが体験したことのないパンデミックの中、立て続けになくなるイベント。
涙を呑み続けた日々。皆さん、この1年間本当にお疲れさまでした。
その一方、外出する機会が減ることで、音楽に触れられることの真価や意義を再発見できた年でもありました。
皆さんは今年どんな音楽をどれだけ聴いて、何を感じましたか?
皆さんのお気に入りは、どの作品でしたか?
僭越ながら、今年も私のお気に入り10枚を選定いたしましたので、この場で発表させていただきます。
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10)Katie Gately/Loom
ロサンゼルスのエクスペリメンタル・ミュージシャンであるKatie Gatelyが、亡くなった母に捧げる2ndアルバム。
日常の身近な音をサンプリングして楽曲にするアーティストは数多く存在しますが、彼女は地震やクジャクの悲鳴、薬瓶の揺れ、棺桶が閉まる音、オオカミの遠吠え、シャベルで掘る音、紙をシュレッダーで砕く音なんかもサンプリングしちゃいます。
まずは悲壮感漂うリード曲、"Waltz"を聴いてほしいです。
https://www.youtube.com/watch?v=dt-ArjL2guM
9) SALEM/Fires In Heaven
近年は全くと言っていいほどその名を聞かなくなった"ウィッチハウス"で一時代を築いたSALEMが、なんと10年ぶりにアルバムをリリース!
呪術的なノイズや怪しい曲進行がお決まりの"ウィッチハウス"。
同ジャンルに分類されるであろうアーティストは増えたにも関わらず、なぜかその名を聞かなくなりました。(これについては後日語ります)
あの有名な"Dance of the Knights"をサンプリングした1曲目に思わずテンションが上がります。
10年前リリースの前作と変わらない、怨霊のような不気味なサウンド、差し迫るような恐怖感と無骨で荒々しいノイズ・・・これこれ!これがウィッチハウスだよ!SALEMだよ!
8)Shabaka and the Ancestors/We Are Sent Here By History
テーマはなんと”人類の絶滅"!
当作品を未鑑賞の方には是非、先行曲である"Go My Heart,Go To Heaven"のPVをご覧いただきたい。
https://www.youtube.com/watch?v=eg-0rBD38Lc
白い歯を剥き出し炎の前で踊り狂う赤い服の少女達、不気味に響き渡る笑い声、謎の白いオブジェクト・・・。バックで饒舌に鳴り続けるシャバカのサックス。
これが混沌の世界というやつなのか。
7)Crack Cloud/Pain Olympics
大所帯で,おもちゃ箱のように多様な音が飛び出してくる様が、まるでArcade Fireみたいだ!と思ったのが好きになったきっかけでした。
カナダのバンクーバーを中心に活動するポスト・パンク集団。
何人編成なんだろうと疑問に思い画像検索をすると・・・
うわ!いっぱいいる!!
1曲1曲に込められた熱量と、アルバム全体を通したストーリー性の濃さに圧巻です。
6)Disclosure/ENERGY
Kelis、Slowthai、Khalid、Common・・・今まで以上に豪華な客演を迎えてリリースされた今作。
聴き終えた後、思わず翌年のFUJI ROCK FESTIVALのGREEN STAGEで観客を沸かせる二人組の姿を想像してしまいました。
前作までとの大きな変化としては、今作では大胆にブラジリアンやアフロミュージックの要素を取り入れている点かと思います。
実際に客演にも拘っており、"Douha(Mali Mali)"を歌うFatoumata Diawaraはマリ共和国、Ce n'est pasのBlick Bassyはカメルーンの出身です。
今後も、進化し続けるDisclosureにますます期待です。
5)サニーデイ・サービス/いいね!
この作品無しに私の1年は語れません。
桜が咲き始めた3月19日にリリースされた本作。
コロナ禍でも、景色が春めいていくことへの喜びや爽やかさを、より胸いっぱいに感じることのできる作品でした。
バンドとしても一周回って原点回帰したような気がします。昔のサニーデイが好きな人にも、これからサニーデイを聴く人にも、胸を張ってお勧めできる名盤です。
4)the 1975/Notes On A Conditional Form
1時間20分、22曲の超大作となったthe 1975の新作。その内容もバラエティーに富んだものでした。
最初はばらつきがあるように感じましたが、何回か聴いているうちに統一感や形容しがたくもまとまりがあるな、と思い始めたんです。
そのモヤモヤを上手い表現で晴らしてくれたのが以下のコラムでした。
The 1975『Notes On A Conditional Form』に潜む〈エモ=アンビエント〉というコンセプト
そして何といっても、人生で一番嬉しかった出来事が日本へ行った時のことだと歌った"Guys"が大好きであることは言うまでもないです(spotify曰く私の今年のトップソングだそうです)
3)Clipping./Visions of Bodies Being Burned
昨年の『There Existed An Addiction To Blood』に引き続き、今年も1時間近い大作をリリースしたClipping.。
昨年の作品も素晴らしかったのですが、今作はより学究的でインダストリアル色が強くなった気がします。
工業製品を叩いたり、実際にピアノを燃やす音を使用したり...ここまで暴力的かつ緻密に実験音楽とヒップホップを掛け合わせたアーティストは今まで居なかったのでは。(もし存在するならば、大好物なので教えてほしい)
2)Swans/Children of God/Feel Good Now(Remastered 2020)
リマスター盤ですが、入れずにはいられませんでした。
だって、Swansの1987年の名作『Children of God』とライブアルバムがセットでリマスターされるなんて...感無量ですよ。
中期作品である今作(5作目)あたりから、Swansはニューヨークのアンダーグラウンドシーンでの異質な存在感を完全に確立したそうな。
特にライブ盤の"Blind Love"の音圧が凄まじくて好きなんです。うわー、2曲目からこの調子なのかと。しかも18分もあるよと(笑)
へべれけな呪いのような言葉を何分も繰り返すマイケル・ジラのそれは、まるでネチネチとした前戯のようで、もはや気持ちの悪い"体験"とも言えます(褒めてます)
この音と呪文の反復が、クセになり、いつしか耳にこびり付いて離れなくなる。
そうなれば、あなたももうSwans信者です。
1)Melt Yourself Down/100%YES
近年のUKジャズの発展は本当に目ざましいですね。
数々のジャズバンドに参加し、アヴァンギャルドなサックス奏者として活動してきたPete Warehamを中心に結成された無国籍トライバル・ジャズバンド。バンド名からヤバい匂いがプンプンします。
ギターの代用である2本の怒り狂うサックス、渦巻くパーカッション、力強いドラム・ビート、そしてZun Zun EguiでもVo.を務めるKush Gayaのエネルギッシュな歌声。
前作も前々作も素晴らしかったのですが、今作はまるで狂宴に巻き込まれたかのような10曲39分を体感できます!もはや息をつく暇もありません!
UKジャズについて詳しく解説した以下のコラムも面白いのでお勧めです。
「新世代UKジャズ」について絶対知っておくべき8つのポイント
そして...まだあります。
順位付けられないほど大好きで賞)the Avalanches/We Will Always Love You
小学生みたいなことしてすみません(笑)
でもね、言い訳させてください。
リリースされる前から考えていたことではありますが、昨夜この作品がサブスクで聴けるようになった瞬間から、
私はこのアルバムに順位をつけることがどうしても出来ませんでした。
なぜなら、the Avalanchesは自分にとって特別だから。
私が子供の頃は、今みたいに沢山の音楽があることを知りませんでした。
自分の大好きなバンドの新譜の入荷日は、授業を受けていても何だか落ち着かなくてそわそわ。
学校が終わると即自転車を走らせてタワレコへ。
帰宅後、部屋にこもってバッグの中へ大事にしまった黄色い袋を取り出し、透明のビニール袋を破る時の高揚感。
取り出したCDのプリントを眺め、歌詞カードを読みながら買ったばかりのCDを聴く至福の時間。
皆さんは覚えていますか?
大人になってジャンルや音の構成を気にするようになったり、
サブスクで手軽に沢山の音楽を聴く機会が増えたことで、「音楽が好き」という気持ちは変わらずとも(むしろ強まるばかりですが)、あの頃のように強くときめいたり胸が高鳴るような気持ちは薄れた気がします。
そんな私にとって、時代や好みが変わっても特別なアーティストがthe Avalanches。
そこには音楽的な"好き要素"もあれば、個人的な思い入れも勿論あります。
今日このLPが自宅に届く日を、ずっと心待ちにしていました。
昨夜、サブスクでいち早く音源を聴いた私の頭の中には「好き!最高!」という感想しか思い浮かばなかったんです(笑)
今後の人生に迷いを感じていた時期に参加した2017年のフジロック。
グリーンステージで観たthe Avalanches。最高でしたよね。
終わったあと、大好きな友達が振り返って「いつかグラストで観よう!」と言ってくれたあの瞬間から、the Avalanchesの音楽は私の道標なのです。
おっと、自分語りをしてしまってすみません。
今はまだ、もっと聴きたい気持ちが急いているので、これから自分の中でこの作品を味わっていけることが嬉しいですし楽しみです。
だから、音楽要素的なものを語ることはいくらでも出来ますが、今夜はこれくらいにしておきますね。
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以上が私の年間ベストです。
皆さんのベストも教えてくださいね。この時期は毎年楽しみなんです。
それでは、またね!
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