事務所紹介を書かない理由

　「事務所紹介とかしないの？」ということをノートでの情報発信を始めてから言われることがあります。
　こんな形で一応で一覧は作っているんですが（最近メンテしてない）、それ以上のことはライバー事務所についてはこれまで紹介などはしていません。

　なんでかというと「書けない」んですよね。書こうと思ったことはあるんですが。

　まず、私はライバー事務所に入るべきか？ダイレクト契約にすべきか？という質問に対しては「事務所に入るべき」というスタンスです。よくリスナー達の支援があるし事務所いらないという話すをする人もいるんですが、私はそれは懐疑的です。リスナーって結局は無責任ですから。絶対事務所があることが有利に働く点は多くあると思っています。

　そのスタンスを理解したうえで読んでいただきたいのですが、私は「いい事務所というのはこの世に存在しない」と思ってます。

　「ダメな事務所」というのはこの世にたくさん存在します。契約書も用意していないような事務所やライバーをだまして食い物にしているような事務所、支援もろくにしないでただの中間搾取者になっている事務所やスタッフが所属ライバーに手を出した挙句に人間関係こじらせてぐちゃぐちゃになるような事務所、噂を含め聞いている話を上げたらきりがないほどあります。当然そんなダメな事務所は論外です。

　ダメな事務所の対極には「ダメではない事務所」があります。いい事務所ではないんですよ。ちょっと二つの私が知っている事務所の極端な例を２つ紹介します。どちらも所属しているライバーさんは「すごくいい事務所だ」とべた褒めしていた事務所です。名前は伏せますが知る人は知る事務所なのでわかっても言わないように。

A）配信についてはなんもしない事務所

　この事務所、本当になんもしません。
　所属しているライバーさんも「代表やスタッフたちは私がどんな配信しているか見たこともないと思う」と言っていました。必要な事務手続きや運営への問い合わせなど以外は何もしないそうです。
　ただこの事務所、もともと「税理士事務所」でその代表が税金関係のインフルエンサーをされている事務所なんです。そのため税金関係はいくらでも相談に乗ってくれるし(インフルエンサーとしての活動のためのネタ集めになる)、いろいろな事務処理も事務所で支援してくれているそうです。
　事務所マージンも他の一般的な事務所に比べると低く設定されていて、「配信については自分でできるからむしろ口出しされたくない。税金周りはこの事務所に入る前にかなり苦労したし、無駄に多く税金を払っていたことがわかってすごく助かってる」というのがこの事務所をいい事務所と言っている理由でした。
　セルフプロデュースが完全にできていて稼げてるライバーにとっては確かに魅力的ですよね。

B）やれることはすべてやる事務所

　この事務所はとにかく支援が手厚いです。例えば配信に必要な機材（ミキサーやマイクなど）も事務所が全部用意するし、セットアップなどもスタッフがやってくれます。
　他にもやっていることとして「配信用のメイクの指導」「アイコン画像のプロカメラマンの撮影＆加工」「白飛び対策など服の選定」「ライト、光量など配信環境の事前チェック」「事務所アカウントによる練習配信」「ネットワーク通信速度のチェックや改善」などなど上げたらきりがないほどです。
　極めつけは事務所スタッフが初回の配信からガーディアンとして枠に常駐、定期文などの支援や、配信のチェックと問題があった場合の指導なども行うというものでした。
　本当にライバーは言われた通りにしてセットアップされた環境の前で配信開始ボタンを押せばいいだけというところまでやってくれるそうです。
　ただ事務所が取るマージンは無茶苦茶高いです。
　この事務所ってコロナが始まって初めての緊急事態宣言が出た時、その時に全国の有名なキャバ嬢さんたちをスカウトしまくっていた事務所なんです。
　事務所のスタッフの人から聞いたのですが、「月何十万とか何百万のお金を使ってくれるお客様達を配信に呼ぶのに『みっともない配信』はさせられない。初配信からトップライバーと同じクオリティの配信をできるようにする」という考え方なんだそうです。
　確かに普通のライバーであれば新人の時には「よくわからないんで教えてください」とか言ってリスナー達との会話のきっかけにしたりしますが、そういう客を連れてくる立場だとそんなことやってるわけにいかないですよね。

　さて、問題です。
　この二つの事務所、どっちがよりいい事務所ですか？
　そんなの正解がないですよね。

　さらにはこの二つの事務所をこれからライバーを始めようかと思っている人に勧められるか？と聞かれたらどちらもＮｏです。ほとんどの人には合わないと思ってます。でも合う人には多分最高の事務所なんですよね。

　だから結局は「いい事務所」というのはなくて、合う事務所と合わない事務所があると思ってます。で、その合う合わないを判断できるほどの情報を一つのnoteに詰め込めるとはとても思えないんですし、そんな情報を正確に書けるほど中の実態を知ることは無理です。入ったことないんだから。そんな無責任な文書は私には書けないです。
　例に挙げたような極端な事務所であれば書けますけど、それ以外の一般的な事務所では私には無理です。
　
　でライバー事務所選びに悩んでいる人がいたら私がおすすめするのは二つです。

①所属しているライバーさんの話を聞いてみる

　まずこれが近道だと思っています。実際行ってライバーさんの雰囲気を見たり実際事務所についていろいろ聞いてみたり。これ多分嫌な顔するライバーさんはいないと思いますよ。
　これが事務所の状況だったり雰囲気を知るには一番の近道だと思います。

②事務所の説明を聞いてみる

　あとはこれですよね。
　できれば二つ以上の事務所の話を聞いてみるのがいいと思いますけど、見る点は「自分ができないことや苦手なことをカバーしてくれるか」という視点で説明を聞いてみるといいと思います。で、そこについての説明の中で理解できない点やわからないこと、気になったことがあればとにかくどんどん質問してみてください。しつこいぐらい質問していいと思います。そこで変に話をはぐらかしたり、回答避けたりするようなことがあれば、だいたいはその事務所は「ダメな事務所」ですから。
　とにかく疑問や不明が残らないように質問してみること、これが一番大事ですね。ライバー契約って雇用と同じくらい重要な契約ですからね。