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わかった 十月に誘うわ

中学の頃からの友だちからLINEが来た。お互いにふざけながら今月行くはずだったメシの約束をバラした。そいつとは定期的に絶縁になって、定期的にゼロ距離になる。身長も体重も同じくらいで色白でおしゃべりなところも似ていて、よく俺とそいつを間違えるみたいなノリを別の友だちにされていた。そういえば高校も一緒だった。中学二年の頃に絶縁して、高一の八月くらいからまた仲良くなった。大学は別だけどそいつを自分の大学のサークルに連れていったら俺よりもサークルの人たちと仲良くなった。サークルはインカレじゃなかったし、そいつもコミュ強ってわけじゃないけど、なんか馴染んだ。大学四年から疎遠になって連絡も取らなくなって先月からまた飯行こうかみたい話をしてる。そいつにだけじゃなくて俺はいつも間違うんだけど、自分のペースに他者を巻き込んで疲れさせてしまう。昨日そいつからいきなり三島由紀夫のモノマネをしている人の短いネタ動画が送られてきた。

-だめだろ
—しんどいわ
-しんどいんかい
—LIVEいけなかった 気づいたら会場近くのホテルで狂ったようにオナニーして泣いて寝てた
-異常者だよ
—ごめんしばらく無理
-人生って不可解だよな
—地面師にならないか?
-ならない
ーもうなんか文化いらん
-お前もか
—ぐちゃぐちゃだ
-若きウェルテルの悩み読め 明るい気持ちになるよ
—殺す気か

そいつと話していると中一の時の気分になる。その頃からノリが変わっていないからだと思う。中一以降の人生のほうが少し長いということを信じられない。大人になった。内容は変わらないのにパッケージだけどんどん勝手に変わっていくから困る。

-わかった 十月に誘うわ

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