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母からの嫉妬

親は子どもの幸せを願うもの。
誰かが言い切ったこの言葉を信じていた。

しかし、毒親について調べていくうち、親からの嫉妬があることを学んだ。
信じ難いがそのパターンかもしれない。
姉が私に嫉妬していることは、すごくわかりやいので理解していた。
でも母もなのか…。
そういう感情が子どもに対しても湧くのか…。
自分も親なので、どうにも理解ができなかった。いや、理解したくなかったのかもしれない。

母の私への嫌味がどんどん増していった数年前、思い切って母に確認した。
『ねえ、私に嫉妬してる?』と。
『当たり前じゃない! だってあなたは全部揃っているじゃない!』と母はキレて即答した。

その頃の私は決して順風満帆ではなかった。
夫は病気をして闘病中で、仕事も上手くいかず収入も怪しくなっていた。思春期の子ども達は2人共、学校生活に苦しみながらの受験期で、
そのストレスのせいか娘も完治しない病気になってしまった。
その上に私の癌。
そんな私のどこに嫉妬するのか?


それは母が自分の思い通りにする為の口実だったのかもしれない。
私のせいにすることで全てを収められる、と考えたのかもしれない。
父を亡くして寂しかったのかもしれない。
母なりの励ましだったのだろうか。
いろんな事が頭をよぎる中、たくさんの母の言動を思い出し、これらを"嫉妬"からとすると全てが腑に落ちた。
認めたくないけど認めざるを得なくなった時、ものすごいショックを受けた。

母の生育状況や父と結婚してからの環境などを考えると、私の人生が、自分がしたくても出来なかったことを次々叶えていっているように見えたのかもしれない。

母は事あるごとに "私のおかげ、私に感謝して" と感謝を要求してきた。
ある時姉が、『感謝なんて要求されてするものじゃない!』と母に怒りをぶつけていたので、姉も言われていたのだろう。

もちろん感謝することはたくさんある。
親のおかげで恵まれたこともたくさんある。

でも、親のおかげだけでなく、自分の力で幸せを手に入れているところもあるのに、私にはその感覚がなかった。
そんな事を母が許さなかったからだ。
いつだってどこでだって、自分が一番でないと気に食わないのだ。

『私(母のこと)は運がすごく強いけど、あなた(私のこと)はそうでもない。私のパワーをわけてあげてるからなんとかなっているのよ』と、子どもの頃から何度も言われた。

何度も言われていると、いつのまにか事実と錯覚してしまう。その言葉を信じてしまった私は不安の強い自信のない人になってしまったし、母は母で本当にそう思い込んでいったのかもしれない。
そしてそれが素となり、自分がたくさん恵んであげた娘が、自分より恵まれているなんてあり得ない、と思うようになったのだろうか。

私に嫉妬した母は私からたくさん奪った。
物もチャンスも経験値も対人関係も。
相続の権利を奪ったのも嫉妬からなのかもしれない。

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