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スタアヲズ(終)について

エピソード3が公開されたのは15年くらい前でしょうか。冬の井の頭公園で「嗚呼、これでスターウォーズも終わったのか…」とうら寂しい気持ちになったことをいまでも覚えています。若き日のダースベイダーを主人公にスターウォーズを「悲しい師弟物語」として編んだのが第2期のスターウォーズだとすれば、ついに完結した第3期のスターウォーズは、結局すべて「フォースを巡る親子喧嘩」だったと総括できそうな感じです。
ネタバレをしないように感想を綴るには細心の注意を要するんだけど、エピソード8の結末でほぼ壊滅同然だった反乱軍のお友だちは意外と健在なうえ、圧倒的優勢だった帝国側には「そりゃ反則だろ」みたいな隠し玉まであるようでした。
この危機的な状況に、伝説の短剣をヒントに宝探しを始めてしまう脚本がまず違和感なんだけど、宝探しの合間には善玉のレイと悪玉のカイロ・レンがフォースを巡る運命に拗ねたりグレたり、そんな感じの2時間です。
とくに作劇上の失敗だと思ったのは、エピソード7からもチラホラ出現していた“通信対戦”で、これは「離れた場所にいるふたりが周囲の空間も相互に巻き込みながら物理的に戦える」画期的なシステムなんだけど、このフォースによる謎システムのおかげで、悪を討つべし善が、善を討つべし悪が、お互いの行方を探すストーリーにほぼ説得力がなくなっているのでした。
おまえらな、そんな“通信対戦”ができるなら、さっさとそれで決着つけんか、と。
このあたりの都合は劇中に語られるフォースの力を心から信じられないとさすがにツラいものがあり、フォースにまつわる能書きを口上程度にしか見なしていないメカ/活劇寄りのスターウォーズファンにとってはやや感情移入が難しい場面が多かった印象です。

いったい俺はスターウォーズに
なにを求めていたのか──?

キモ可愛い謎生物に健気なロボたち、バラエティ溢れるストームトルーパーの雑兵感と一騎当千のライトセイバー、やたら閉所に特攻したがる味方戦闘機とそのピンチをクソ美味しいところで救いに来るファルコン号。これですよ。

少なくとも俺にとってのスターウォーズが、フォースの小理屈でなかったことだけは確か。

ところで、実はフォース抜きで見事なスターウォーズを映画化できた「ローグワン」という傑作もございます。

先日、まだスターウォーズを一作も見たことがない女の子にどのような順番でスターウォーズを見せるべきか、ピザを食いながら真剣に考えるひと幕があったんだけど、俺の結論としては

1) ローグワン
2) エピソード2
3) エピソード3

あえて物心ついたときに魅了されたEP4~6をカットしてスターウォーズの魅力について語りたい。
過去の名優やフォースから離れられなかったことがスターウォーズの限界だった。

CMのあと、さらに驚愕の展開が!!