上手に話すコツ

実はむかし、重度の吃音だった。
そもそも俺は普通に話すこと自体にハンデがあったんだけど、それがいま、なんとか普通に話せているのは、とにかく多くの言葉と言い回しを自家薬籠のものにできたからだと思う。たぶんこれは武道の型のようなやつで、ふつうの人がいくつかを使いまわしているものを、ハンデを克服するために何倍も多く体得することが必要だった。結果、言葉が詰まったときに瞬間的に迂回路を探せるようになったんだと思う。けれど、まだ足りない。

以上は俺の特殊な事情なんだけど、ツイキャスでもプレゼンでも、両者はまったく性質が違うものであることは断りながら、もし共通する“話し”のコツがあるとすれば、それは“話し”よりも“思考”を半歩先行させることじゃないかな、って思う。思考を半歩先行させることで、あとに続く“話し”の周囲を見渡すコンマ数秒の余裕が生まれるんだね。もちろんツイキャスもプレゼンも話しながら考えるんだけど、ふつうの人は思考と“話し”が同期しているっぽい。これでは論理や話題の隘路に行き当たったとき空隙を生じるのは当然で、理想を言えば、自分がこれから話すことを、そのリアクションも含め半歩先を予想しながら話すしかない。そういう意味で、幼少期の吃音は、自分が何をどう話すか、常に半歩先を意識するトレーニングを強いられていたとも言えるわけで、いまでは自分の吃音に感謝すらしているよ。

さて、思考を“話し”よりも半歩先行させる方法なんだけど、たぶんこれは2つ方法がある。1コ目はたぶん速読。要するに脳みそが一度にロード&メモリできるテキスト量を増やすわけだね。調べてないけど、ツイキャスが達者なやつはそれなりに速読だと思われる。2コ目は話す内容を事前にざっと構成してメモしておくこと。なんだそんなことかってがっかりするかも知れないけど、脳みそがオンタスクで保持しておく部分を外部化しておくのもひとつの工夫だと思う。
すぐにできるのは2コ目の方法だ。がんばってくれ。

CMのあと、さらに驚愕の展開が!!