圧縮された堕落の中央に存している─

…という駄文じみた感慨に囚われたのは、例によって部屋のエントロピーが上昇してきて俺の左手キーボードの左20~50cm領域に、いささか看過出来ないゴミエリア・廃棄物ゾーンが音もなく完成しつつあるからなのだろうか。

現在時刻は早朝。例によって寒い。ベッドサイドの読書用白熱灯のみが部屋を照らす構図は、俺の影を前方から左へ伸ばす位置に光源を配しており、部屋に際立ったコントラストを作ることに成功している。

ゴミ・廃棄物・トラッシュたちは丁度コントラストの暗部、つまり影の中に存在する形になっているので、より一層存在感を増しているのだろう。

暗黒の中から俺を睨むゴミども。

ギッシリと空間的に圧縮されている。

ここにもやはりディティールがあった。

屹立する俺の男根、ではなく空になったペットボトル。


そう言えば『空』である。

『空』、つまりSKYを意味するこの美しい漢字は、同時に空、つまり「empty」を表す漢字でもある。

かつて高校の卒業文集で、クラス一の浅薄さ軽佻浮薄さを惜しみなく全身から醸し出していたアキオ君は、卒業文集の寄せ書きのスペースに『空』と一字記した。わざわざ購買から買ってきたペンテルの筆ペンだ。

心静かに一字、一筆入魂は『空』、満足のいく出来。

その時誰かが呟いた。(俺だけど

『・・・・カラ』

嗚呼哀しいかなアキオ君、君が記した会心の一字は“ソラ”ではなく“カラ”だった。クラス中がアイロニックな笑いに包まれたのは言うまでもない。

彼の瞳の中に殺意を認めた。心地よい殺意だ。

あぁ彼は今何をしているのだろうか?

クラス内のパワーバランスを誰よりも鋭敏に察知し、童話で語られるコウモリのような変わり身を厭わなかった彼は、きっと大出世しているような予感がする。

…はずもなく、現実はサラ金から借りた金で一念発起、走り屋としてヒーローを目指すも虎の子の車は鳴子峠で大破し、千葉で落花生を栽培する毎日である、と風の噂で聞いた。

アーメン。心の底からアーメン。キリエ・エレイソン。声も枯れよとキリエ・エレイソン!!


………。

腹が減った。ラーメンでも食もう。。。

※『食もう』『食む』つまり、↑は、“はもう”と読む。草食動物のような諦めと長閑さを表現したかった。


ところで、食い終わったラーメンは即座にゴミに変わる。こうしてコントラストの中にさらにゴミが増えていく、という話でした。

人生色々、食事も色々!

合掌。

CMのあと、さらに驚愕の展開が!!