見出し画像

2120年のオリンピック

※以下に書くことは粗悪なSFだと思って読んでほしい。

未知のウイルスによって「ひとが集まる/交通する」というごくあたりまえの営為が封じられただけで社会が危機に瀕することがいま、世界的に確かめられている。幸運にもいずれ事態が収束したとして、未知のウイルスが国防上の課題として残り続けることはまず間違いないと思われる。
というのも、「貧者の核兵器」と言われるように、生物兵器の研究製造は、核兵器の研究製造よりもはるかに安く手が届くからだ。なにしろいまや個人ラボのレベルでゲノムデザインができる時代になっている。こうした国防上の課題に対応するために、たとえば「防疫軍」のような軍事セクションの必要が真面目に検討される時代になるかもしれない。あえて捕虜になった兵士のなかに未知のウイルスのキャリアを忍び込ませるだけで、敵国は作戦どころではなくなるからだ。
もちろんこれは国家間の戦争だけでなくテロへの警戒にも従来とは別種の警戒が必要になることを意味していて、格差の拡大や温暖化による地政学的な変化を背景に、そうしたゲノムデザインがあたりまえに普及した未来を想像すると、人類はかなり自閉的な社会への後退を余儀なくされると思う。基本はすべてオンラインで、外出するときは必ず防護マスクを着用するような社会だ。素顔を見ることができるのは家族かオンラインの相手だけで、そうした状況では「家族」という概念の成立さえ危うい。
こうしたディストピア的な未来で重要なインフラになるのは、AIで自律的に作動するロボットになるはずだ。国防もそれは例外ではなく、兵士の代わりにドローンが戦闘する未来になる。死者が出なくて結構なことだ、と思うかもしれない。しかしそれはどうせ数十年程度の話で、いずれAI技術やロボット技術も人間の制御が及ばなくなるクリティカル・ポイントを迎えることになる。たとえば、AIに「欲求」や「自我」を与える禁忌的な技術が発明されたり、あるいは、量子コンピューティング技術を基礎に、人間の脳内すべての活動を分子レベルでシミュレーションできるAI(=神)が生まれるようなシナリオだ。
こうなるともう人類がロボットに支配される映画「ターミネーター」の世界になる。社会インフラや軍事がほとんどAIやロボットに依存するようになった世界で人類になす術はなく、いずれ感情や芸術さえ学習したロボットは、生命に代わる新たな「種」として太陽系外へも進出していく…という「超ロボット生命体トランスフォーマー2010」みたいなオチになる。

なんというか、ウイルスのRNAも人類史も突き詰めれば「情報」であり「エントロピー」であり、宇宙や存在の虚無に抵抗していくのは、なにも知的生命体である必要はないのかもしれないね。

ちなみにいまのコロナ状況、大枠で3/9に俺がFans'で予言したとおりになっている。
https://www.fansnet.jp/ob-rt/posts

CMのあと、さらに驚愕の展開が!!