今年知って聴いて衝撃を受けて曲作りができなくなった話

たまたまです。車でラジオをつけて走ってたら開始の一音目から衝撃を受けて聴き入った曲に出会いました。そしてその楽曲に出会ってしまったが故に自身の作曲という形のあり方に疑問を抱き悩みに悩んで一時期作れなくなってしまった楽曲の紹介です。

それは、赤い公園の絶対零度という曲です。

こちらの楽曲。

普段私はGabba(めちゃくちゃ早くてうるさい4つ打ちのクラブミュージック)をはじめクラブミュージックモノを聴くし作るし踊ってる人間です。
ボーカルよりも音に耳がいくタイプで、さらに言うとあんまりバンドサウンドモノは好んで聴かない性格の人間です。
それがこの曲はただ垂れ流していたラジオから流れたのにも関わらず1音目から惹かれてしまい聴き入って、ラジオで曲が流れた瞬間曲名とアーティスト名をメモして保存してすぐYoutubeでも調べて履歴を残しました。

そして、あまりにもこの楽曲の「凄すぎる作品に出会ってしまった。俺はここまで相手を俺の世界に惹かせるほどの曲を作れるのか?」
と考えてしまうほどに、この楽曲の素晴らしいと思った所を細かく連ねていこうかと思います。

1音目、最初の効果音のようなノイジーなギターによる印象的な始まり。
その後4/4ではじまったと思ったら3/4拍子になったり、サビ前からキレイに4/4になってまたキレイに3/4に。5/4にもなったり。あまりにも楽曲の変拍子移行がスムーズすぎて衝撃を受けた。作曲という面で見てもかなりテクニカルなのに聴きやすく纏まっている。

ドラムの静と動にファズが効いたギターの心地よく力強いサウンド。官能的にそそってくるベースの音色に動かし方。そして何よりも透き通って力強いボーカルに曲全体をときおりFx風に支えてくれるピアノの動き。すべての音が変拍子と心地よく混ざり合って音として聴いていてとにかく心地よく酔える。

さらに言うならば、最初の一言目に発せられる
「アラバの海の真ん中」
独特な言葉回しが最初からがっちり掴んでくる。そのあとには
「息を吸って吐くことが 奇跡なんだと知っても」
と、展開が変わるごとに独特の言い回しがさらに世界に引き寄せてくれる。
最初は暗い展開で始まるのにそれにあわせて展開が明るくなる。

用語を使った話になると、最初のAメロはAマイナースケール構成で「アラバの海」という死海を連想させるワードから始まったのに対してBメロは「息を吸って吐くことが」と生への執着心を連想させるワードでAメジャースケールに移行しているのがすごくスムーズでテクニカル(書いてて気づいた)。そして一緒に拍子も変えて表現しているのがすごい。

もうだめです、すごすぎて語れません。あまりにも感動しすぎて何回も聴いてはこんなに世界観に引き込み魅力的な曲が俺には作れないなと感じてしまってから、曲作りに対する気持ちが変わりました。クラブミュージックに求めるものはソレではないのは頭で理解できてても、こんなに完成度の高くテクニカルなのに、まったく複雑だと感じさせない構成と音使いと自然な転調と引き込み力。

この曲は俺の中での一生心に刻まれた曲でした。開幕の1音で人を引きこめるなんてプロはすごい。

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