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403. 三人組なのにひとりぼっちの女子大生

西宮北口での出来事です。2階コンコースで三人組の女子大生がいて、2人は神戸線の三宮方向に、1人は今津線の宝塚方向に分かれる瞬間に出くわしました。

三人は輪になる形で会話をしているようでしたが、分かれ際のまさにその瞬間、神戸線の二人が会話をしながら方向を変え、今津線の一人に「じゃあねのあいさつ」をしなかったのです。雰囲気的には、三人グループから一人が抜ける、離れるようにひとりぼっちで今津線側のホームに降りて行ったのです。

その三人組から別れた女子大生は、見るからのその二人の付属品のような垢抜けない、自信のなさそうな雰囲気が漂っていました。そして、まさにその三人組から別れた瞬間、その雰囲気は一気に爆上がりしたのです。

私は興味本位に近づいていき、ちょっと追い抜いてふと振り返り、その女子大生と目が合うかどうかを確かめました。すると、その女子大生も私を見たので私は社交的に「ああ、どうも」的な会釈をすると、その女子大生も歩く速度を若干緩めて反応したので、私は少し笑顔になり「ああ、すみません」と意味もなく声を発してみたところ、その女子大生も「あっ、すみません」と返してきたので、なんだかんだしているうちに横のフレッズに入りコーヒーとパンでもいただいて帰ることになりました。

これは飲み会で解散した女性に声をかけるパターンとほぼ同じですが、私の予想通りその女子大生はキラキラした神戸線の二人の付属品のような立ち位置で、正直かなり人間関係に疲れていると打ち明けてくれました。同じ理系の学部に通っている頭のいい子だったので何かと話題に尽きなかったこともあり、その日はLINEを交換して定期的に勉強会をするという口実で次のアポを作りしばらく付き合っていました。

彼女とはあまり燃え上がるような感情がわきおこることはなく、残念ながら関係を持つことはありませんでしたが、「自分に価値はない、自分と一緒にいてもその人が負担になるだけだ」という、正真正銘の自己肯定感欠乏症の女性だったようです。

一体誰がそこまで彼女の存在価値を否定してきたのかは不明ですが、一度だけ性の話(本当は単なるエロ話なのに、なぜか彼女を思い出すと性の話と表現してしまうような雰囲気になってしまいます)をしたことがあります。そのとき、彼女によると「男性はアイドル〇〇なみの女性でないと興奮しないし、最低でもあの二人のようにキラキラしていないと相手にすらしない高尚な生き物である」という説明をしてくれました。だから「どうせ相手をガッカリさせるのだから、私は男性と付き合うレベルには程遠い人間の女以下なのだ。」と言って、いや、どうやら本気でそう信じているような雰囲気を醸し出していました。

これはもう、母親がどうこうというよりネットの情報による脳内汚染としか言い表せない洗脳のされっぷりで、流石に私もしんどくなって距離が離れていきました。

たしかに、ストリートナンパでも結局関係を持てるのは実は自分に自信を持っている能動的な女性です。「お前は性的に魅力がない!」という洗脳は、ここまで人の人生というか行動を制限していくと思うと恐ろしくなった、そういうお話です。

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梅田王子

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