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1987年友部正人15周年コンサートの日の殴り書き

当時の日記を起こしたのが2000年の6月。そして20年経って恥ずかしげもなく1987年の自由な9月を読み返す。下村さんはライター、故人。

帝都無線のレコード袋、思い出せない。それが哀しい。

1987/9/27

新宿からJRに乗ろうと
時間とおっかけっこをしながら
急ぎ足で歩く

ビル風にあおられ
目にゴミがはいる
ポロポロ 涙を落としながら
新宿を歩く

もう平気だった
誰にみられても平気だった
まるでHeartbreak装って・・

私は友部正人のコンサートにやって来た
15周年というのに
彼はまるで15歳の少年のようだった

5時間というのに
時間は歪むことなく
まるで美しい1時間のように
私の目の前で展開された
ラストの「ぼくは君を探しにきたんだ」で
いっぱい泣いた

涙を落とさずに
心がキリキリ泣いた
黒い帽子と 相変わらずの笑顔の下村氏
OH MY LOVE
心が泣いて
どうしようもなかったので
愛の詞を聞き取れなかった

5時間前
汗ばんだ有楽町に立って
そしてホールという
とても柔軟性のあるタイムマシンに乗った
甘いラヴソングのデザートを終え
泣きながら 階段をおりてゆく
ソコは
5時間前と
よく似た街だったが
同じ街じゃなかった

私はとっくに旅に出ていた

テイトムセンのレコード袋
を しっかりと握りしめ
トウキョウの空気を攪拌する
ミドリの電車に乗って 泣く
少し涙がでていたかもしれないけれど
誰に見られてもよかった

HOTELにもどって 深呼吸をする
腕時計を外そうと
手のひらを見ると
レコ-ドの袋の青に染まっていた

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