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深夜の地下鉄


いま電車にいます、地下鉄。酩酊してる人、目が虚ろな人、カップル、多種多様な人たちが一杯いるこの空間で親指を駆使して書いています。私がここに何を書いても貴方に届くはずはないのだけど年の瀬なので書かせてください。なんだか目が冴える。

とにかく貴方が好きです、ここでふと我に返って、好きってなんだろうなって考えてみました。
貴方の目に留まりたい、貴方に働きかけたい、あなたの近くにいたい、あなたに共感してもらいたい、あなたのしてほしいことを叶えたい、あとなんだろうな‥うわ、全部身勝手じゃない?全部我儘なやつ。

あなたに働きかけたい、これはあるかもしれないな。確かにコミュニケーションしてる確証はほしいかも。あなたへの〇〇して、に反応してほしい。

‥でもなんかちがうかも。反応してほしいけれど、貴方は一生私のものにはならないでしょう?分別がある私はわかっているよ、それがどれだけ具現化しない望みだという事も。だからそこに固執するのは意味がないし、そして疲れる。疲れるけどへばりつきたい、でも無駄なことは知っています。



今これを書いていて、ぐちゃぐちゃになってる私の隣に座っているおじさん。私の顔を覗き込んでくれておかしな顔をしているなと飲み屋に連れていってくれて私の話を聞いてくれる。それも少しは消化される。でもおじさんはきっとビールを注ぎながら嘲笑うよね、『いい年して、あるわけがない、おかしな人だね』って。夢見てるねって。多分そう笑う。あのねおじさん。私、自分が一番痛いことを知ってるの。みっともないこともわかってるんだ。だからそこは見逃してよ。話に付き合ってよ。あと一杯、馬鹿にしないで一緒に飲んでよ。わたしの好きを嘲笑わないで。おねがい。泣いてしまうから。

どこで叫んだって、何をどう叫んだって届かないことなんて流石に私だって知ってる、わかる。駅前のゴミ箱に捨てられるチラシと同じ。でも同じに扱ってほしくない。私の思いだけは他と違って、少しだけピカピカしてると信じているから。


師走の空は寒くて冷たくて無神経だ。誰もあたしのことなんか気にしちゃいない。あと重要なこと。愛される事って声が届くことじゃない。相手に望まれるってこと。嗚呼現実世界。アイドルなんて好きになるんじゃなかった。めんどくさい。なんならこんなの知らないで死んだほうがマシだわ。別にのぞんだわけじゃないのよ。しらなきゃよかった。

でも。貴方が幸せなニュースはちょっと良い。貴方が幸せになるかもしれないニュースは素敵。
この瞬間もしかしたらそれで貴方がムフフって思ってるかもしれない。やったーって。嬉しいな、楽しいな。晩御飯に食べたおかずが好きなもの?寒さが緩和されたニュース。アレルギーはどう?自由時間は取れてる?家族と会えてる?絶望してない?しんどくない?ごめんなさいどこにも干渉できなくて勝手に辛い。


他人の幸せが自分の幸せに昇華できるって、この年まであまり理解できなかったのかも。未熟だからね。でも、貴方が幸せだったらそれでいいんだ。いま、ぐっすり寝てられればいいんだ。小さい人間なので世界平和は望んでない。ただ貴方が健やかに眠りについてくれたら。それであたしはニヤってしちゃう。小さい人間でごめん。どこにもいけない、偶にやってくるこの感情、はきださずにはいられなかった。次の駅で降りて帰って大人しく寝るね。どうにもできない想いは小さくまとめてゴミ箱に捨てる。


好きなんだけど、どうしたらいいのかわからないな‥







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